肌に現れてくるアレルギーによる異常は、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎があります。
蕁麻疹はⅠ型アレルギーと呼ばれる即時型アレルギーで、原因となる食べ物を摂取してからだいたい15分前後ぐらいという比較的短時間で症状が現れてきます。
蕁麻疹は全身のどこでも出てきます。
一方、アトピー性皮膚炎の場合は、その多くはⅣ型アレルギーと呼ばれる遅延型アレルギーで、原因となる食べ物を摂取してすぐに症状が出てくるものではありません。
だいたい1~2日経過してから掻きむしることにより発赤が生じたり、鱗屑が目立ってきたりします、。
ただ、食物によるアトピー性皮膚炎はごくまれで、食物が原因の場合は、多くはⅠ型アレルギーによる蕁麻疹などの症状になってきます。
肌の異常があるときは、風呂に入っていいのか
よく肌を清潔にしなさいと言われます。
また肌の治療においても、肌を清潔にすることが大切です。
もともと日本人は風呂が好きな国民ですが、肌に異常があっても温かくて気持ちいいお風呂に入りたいけど、実際のところ入ってしまってもいいのだろうかと悩むこともあるかと思います。
入っていいのか、入ってはいけないのか、異常がある部分を湯船につけなければいいのか、いろいろと悩んでしまいます。
結論を言うと、肌に湿疹や蕁麻疹などの異常があっても、風呂に入ってはいけないというようなことはありません。
体を温めてリラックスでき、さらに肌を清潔にできるお風呂を制限する理由はありません。
ただ、肌に異常がある場合は、肌への刺激は避けなくてはいけません。
熱いお湯やぬるすぎるお湯ではなく、適切な温度のお湯につかるようにします。
石鹸も使用してもかまいません。ただし、ゴシゴシとこすって洗わないようにし、なるべくなら肌にやさしいと言われている石鹸素地の石鹸を使うと良いでしょう。
びらんがある場合のお風呂は?
びらんがあっても、湿疹があっても、お風呂に入って大丈夫です。
きちんと清潔なお風呂であればいいでしょう。
自宅のお風呂であれば、問題ないと思いますが、大浴場などの共同風呂については湯船からの感染も可能性としては予測できるので、念のため湯船は避け、シャワーのみにすると良いかもしれません。
ステロイド外用薬の注意
肌に湿疹などの異常がある場合、ステロイドの外用剤を使うことがあります。
ステロイド外用薬を使用するにあたってはいくつかの注意がありますが、その一つは、もし肌の異常が感染症によるものであれば、免疫力を抑えるステロイド外用薬により症状が悪化するおそれがあります。
またステロイド外用薬は、確かに肌の炎症は抑えますが、乾燥した肌を保湿する保湿作用はありません。
したがって、ヒルドイドや尿素クリームなどの保湿剤と一緒に使うと良い場合があります。
軟膏だから保湿効果も兼ねているとは限りませんので注意が必要です。