人間は中身といいながらも、やっぱり見た目が肝心だよねといってダイエットをする人も多いと思いますが、いくらダイエットしても思うように痩せないという悩みをもっている人も少なくないと思います。
実は、肥満を決定づけている要素の7割は遺伝によるものなのです。
肥満は育った環境よりも遺伝による影響が大きい
肥満の原因の7割が遺伝ときくと、それじゃダメじゃないとあきらめる人もいるかもしれませんが、少し待ってください。
まずは、本当にそうなのかをお話します。
肥満に遺伝が関係するかどうかについては、デンマークで容姿になった540人の成人を調査した研究があります。
その結果、養父母と養子の体重には相関関係はまったくみられなかったものの、生みの親と体重にははっきりと一貫した相関関係が見られました。
太っている両親の子供を、やせている家庭で育てても、子供は肥満になったのです。
つまり、肥満は育った環境による影響よりも、血統・遺伝による部分が大きいと言えます。
本当に肥満の原因の7割が遺伝によるものなのか
育った環境による映鏡よりも、遺伝による部分が大きいということはわかったけど、本当に7割も遺伝によるものなのだろうか。
そこで、別の研究も行われました。
遺伝的な要因を研究するにあたってよく用いられるのが、別々の環境で育てられた一卵性双生児の研究です。
一卵性双生児の遺伝物質は100%同じで、二卵性双生児の遺伝物質は25%が同じです。
別々の環境で育てられた一卵性双生児、二卵性双生児を観察することで、遺伝が肥満にどのぐらい影響を与えているかがわかるわけです。
こうして行った研究において、肥満を決定づける要素の約7割が遺伝によるものだということが証明されたのです。
確かに太りやすい体質はあるがあきらめないで
肥満になりやすい遺伝子をもっているからといって肥満になるとは限りません。
確かに、遺伝によって太りやすい体質というものはあります。
しかし、人間は満腹になれば、食べれなくなり、むしろ気分が悪くなったり、それでも無理して食べると嘔吐してしまうようにできています。
つまり人間には過食させる遺伝子なんかないのです。
肥満の原因は、たくさん食べて血中の血糖値が上がり、インスリンがたくさん分泌してきて、それによりホルモンの複雑なバランスが崩れてしまうところにあります。
カロリーのアンバランスを生み出す食べ物の摂取量や運動量は、遺伝ではなく、個人の意志・裁量によります。
遺伝的な要因が7割だとしても、逆に考えれば、残りの3割は、自分でコントロールできるということになります。
確かに、太りやすい体質の人は、そうでない人よりもより自分でコントロールする力が大切になってきますが、それでも遺伝子を持っているから肥満になるというわけではないのです。