くちびるは、顔の印象を左右する重要なパーツです。
リップクリームを手放さず、こまめにリップケアをしている人もよくみかけますが、それでも冬の乾燥の季節は、くちびるが乾燥しやすい季節です。
上下で違うくちびる
くちびるは、上唇と下唇が対になってできています。
同じ「唇」がつくので、形こそ違えど、上唇も下唇も似たようなものだろうと思っている人も多いと思いますが、組織的にも全然違うものなのです。
一言でその違いを言うと、『上唇』は皮膚の延長で、『下唇』は口内粘膜の延長です。
『上唇』は皮膚の延長ですが、角質が非常に薄く、汗腺がありませんので皮脂膜もできにくい場所になっています。
『下唇』にいたっては口内粘膜の延長で、角層が薄いどころか角層や顆粒層などはないため、皮膚とは違い唇のバリア機能は低くなっているうえ、セラミドなども少ないため保水力に乏しくなっていて乾燥しやすいパーツなのです。
唇が荒れやすい理由
くちびるは、乾燥しやすくデリケートで、ひび割れしたり、皮がむけたりしやすいパーツです。
唇は、上唇は角層が薄くセラミドも少なく、ターンオーバーも早く、皮脂膜もできにくく、下唇にいたっては粘膜の延長で角層すら無いため、バイア機能が非常に低い状態の部位になっています。
そのため、角層の水分量も少なく、水分が蒸発しやすくなっていて、水分の蒸発のしやすさは頬の約5倍とも言われています。
したがって、きれいに剥がれ落ちず、ひび割れを起こしたり、皮むけになったりしやすく、さらに紫外線にもさらされる部位でもあります。
また、唇は飲食の都度、その飲食物と接触したり、会話の都度動いたりするので、外的な刺激をより受けやすい部位でもあります。
加えて、唇が乾燥するからとリップクリームを塗ったり、口紅を塗ったりするので、それらに含まれる成分が刺激になることもあります。
唇の荒れは、リップクリームや口紅が誘発しているかも
リップクリームや口紅には、唇が乾燥しやすいパーツであるということも考慮して、保湿成分が配合されていたりします。
しかし、これらには保湿成分などの他に、血行促進成分として、トウガラシ果実エキスやdl-カンフルなどが配合されていたり、l-メントールが配合されていたりして、これらの成分の刺激により、唇が炎症を起こして荒れることもあります。
もし、こうした成分で唇が荒れるとしたら、こういった成分が配合されていないアイテムを選ぶようにしましょう。
さらに、口紅は落ちにくくするために、染料が使用されていて、それらは顔料とは違い分子量が小さく、色素沈着やアレルギーの原因になることもあります。
使用してみて、合わない口紅などを使い続けることはオススメできず、別のものに変えるなどの工夫が大切になってきます。