化粧品で起こる白斑 | 美容トピックス

2015年前後、美白化粧品を使用して、白斑等ができてしまい問題となったことがありました。

白斑とは

『白斑』は、皮膚の白い斑で体の様々な部分に生じる皮膚の色に異常が起こる「色素異常症」の一種です。

表皮にあるメラノサイト(色素細胞)の中でメラニンが合成され、そのメラニンが角化細胞に渡され、そのメラニンによって皮膚を紫外線から守っていますが、いろいろな原因で、メラニンが減少・消失・増加することにより、白斑とは、皮膚の色に異常が起こる「色素異常症」の一種です。

通常、私たちの体の中では、表皮にあるメラノサイトという色素細胞の中でメラニンが合成され、メラニンを角化細胞に渡すことによって、皮膚を紫外線から守っています。

いろいろな原因により、メラニンが減少・消失・増加することで『色素異常症』が起こってきます。

『白斑』は、この『色素異常症』の中でもメラニンが減少したり、メラノサイト自体が存在しなくなることによって「脱色素」状態になり、皮膚の色が部分的あるいは全身にわたって白く抜ける状態のことを指し、医学的には、『脱色素斑』という言い方をしたりもします。

白斑を発症する人の割合は最大2%といわれていますが、その原因ははっきりとはわかっておらず、メラノサイトに対する免疫系による攻撃が関与している可能性も考えられます。

化粧品で白斑

2015年前後、美白化粧品を使用して白斑が起きたという報告が相次ぎ、美白化粧品に配合されていたシラカバの樹皮から抽出された『ロドデノール:4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール』というメラニン生成を抑える作用がある成分が、原因ではないかということになりました。

『白斑』は、自然に生じることもありますが、『ロドデノール』との因果関係は否定できないとされ、化粧品の使用上の注意も改訂されて、注意喚起が行われるようになっています。
実際に、ロドデノールを含む化粧品の使用をやめた人の多くは白斑の部分に色素の再生が始まり、改善傾向がみられたようです。

ロドデノールと白斑

ロドデノールは、その化学構造がチロシンと良く似ています。

チロシンは、チロシナーゼの働きにより酸化され、メラニンが生成されていきますが、ロドデノールはチロシンと化学構造が非常によく似ているため、チロシンの代わりにチロシナーゼと結合してしまい、チロシンがチロシナーゼと結合できなくなってしまい、メラニンが合成されなくなってしまいます。

さらに、ロドデノールはチロシナーゼと結合した結果生じた代謝産物は、細胞毒性があり、メラノサイトが減少したり、消失したりして、脱色素斑が生じ、白斑となってしまいます。

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