皮膚は体の防衛組織 | 美容トピックス

皮膚の表面の角質細胞は、タイトジャンクションという構造でしっかりと結びついて、外部からの病原体や異物が侵入してくるのを物理的にしっかりと防いてくれています。

鉄壁ではない肌の守り

しかし、この防護壁は完璧なものではありません。

なぜならば、肌と呼ばれる角層の表面は、その厚さが約20μmほどしかありません。

ちょっとした外傷やひっかき傷などでも、簡単にその組織が壊れて、川の堤防が決壊するかのごとく、そこから異物が容易の体の中へ侵入してきてしまいます。

しかし、こうもたやすくウイルスや細菌の侵入を許してしまったのでは、体の健康維持など図れません。

そこで、皮膚組織は、この第一防衛線ともいえる角層の肌バリアを突破されて、二重三重の防衛対策が取られた組織になっていて、皮膚の免疫機構を形成しています。

皮膚は人体最大の免疫器官

『皮膚』は、『人体最大の免疫器官』とも呼ばれています。

免疫応答に関与するたくさんの細胞が皮膚には存在しています。

言い方を変えれば、皮膚は毎日う言う留守や細菌などの病原体や異物と免疫機構が戦っている主戦場とも言える場所なのです。

皮膚には、免疫応答を誘導するランゲルハンス細胞が分布していて、真皮や皮下組織には、樹状細胞マクロファージ、T細胞、B細胞、肥満細胞、好酸球、好中球などがズラリとそろっていて、そこに血管やリンパ管がきています。

しかも表皮のランゲルハンス細胞は、1平方センチメートル当たりに約1000個も存在しています。

こうした免疫細胞には、病原体や異物に特異的な構造を認識するセンサー機能があり、マクロファージなどの食細胞や樹状細胞の表面や内部には、病原体や異物の構造を把握できるセンサー蛋白質が備わっています。

センサーの皮膚

皮膚にある免疫細胞に備わっているセンサーは、細胞やウイルスの細かい種類までを判別できるほどの高性能な機能はありませんが、病原体の構成成分を大雑把に把握して、侵入した物質が排除すべき病原体であるのかないのかを判定することができます。

もし、これまでに汗腺したことがない未知の細菌やウイルスであったとしても、細菌やウイルスには必要不可欠な構造や物質があり、これにより宿主細胞に取りついて自己増殖しますが、こうした構造や物質を察知することができ、はじめて装具素るう異物にも迅速な免疫応答ができるしくみになっているのです。

ウイルス対策ソフトが、未知のウイルスも検知するのと似ているかもしれません。

万一、皮膚のバリアが突破されても、このように防衛システムがきちんとあるのです。

細菌やウイルスを認識すると、センサー蛋白質から警告シグナルが出て、これが表皮にある角化細胞にもつ伝わり、そこで菌を殺傷する抗菌ペプチドも分泌されます。

この抗菌ペプチドによって、体内に侵入しようとする細菌が迎撃されるのです。

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