日本人は、平均寿命が長いことで知られていますが、先進国の中でみてみると肥満の割合が少なくなっています。
実は、長寿と腸内関係は深い関係があるのです。
日本人の腸内細菌
日本人を含む12カ国の腸内細菌叢を調べた研究があり、面白い結果が出ています。
日本人の腸内細菌の傾向として、ビフィズス菌が多いという特徴があり、海藻を分解する酵素も多くなっています。
腸内環境を整える働きがあるビフィズス菌は、アレルギー症状を緩和させたりし、これが多いと腸内を健全に保ちやすくなります。
一方で、日本人の腸内には古細菌が少なく、エネルギー代謝や蛋白質の合成の機能は弱い傾向にあります。
古くより海苔やワカメを食べてきた日本人は、これら海藻を分解する酵素の遺伝子を約90%の人が持っていると言われていますが、日本を除く11カ国では最大15%にとどまっていました。
さらに水素を酢酸生成に消費し、炭水化物の代謝機能も高いという結果がでました。
日本人は、炭水化物の代謝で生じた水素は、酢酸の生成に消費される傾向があり、メタン生成などに消費される他国と比べて、体に役立つ形で消費されていることになります。
また、炭水化物の代謝能が高いので、より多くの酢酸や酪酸といった短鎖脂肪酸や水素を生成することができます。
加齢とともに悪玉菌が増える
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優秀ともいえる日本人の腸内細菌ですが、歳を重ねるとともに悪玉菌が増加して、善玉菌が急激に減少していってしまいます。
そして悪玉菌が生み出した有害物質によって、迷走神経の刺激になったり、血管やリンパ管を通して体のすみずみまでひろがってしまいます。
例えば、歳をとって腸内環境が悪化してくると、悪玉菌であるクロストリジウム門のアリアケ菌が、消化液を構成する胆汁から二次胆汁という有害物質をつくってしまい、これが発がん性物質にもつながってしまいます。
その他、悪玉菌は、認知症やパーキンソン病、うつ病などの原因となる毒素を生み出したり、肌を劣化させたり、有害なガスを発生させたりということがおこり、老化は腸から始まるという人もいるくらいです。
悪玉菌の急増
悪玉菌が急増してくるのは60歳ぐらいからで、70歳をすぎるとさらに悪玉菌が急増し、善玉菌が減っていってしまい腸内環境が乱れやすくなります。
従って、より食事によって、善玉菌をバックアップする必要があります。
そこでオススメなのが、ワカメなどの水溶性食物繊維、ヨーグルトなど発酵食品、乳酸菌のエサになるオリゴ糖、優れた抗酸化作用をもったEPA・DHAです。
こうした食品を積極的にとることによって、腸内環境が改善できます。