「学会発表」は鵜呑みにしてはダメ | 健康トピックス

健康食品やダイエット食品の広告や記事をみると、いろいろな機能が書いてあって、そこに「〇〇学会発表」といった書いてあったりします。
一見すると、「学会」という言葉から、エビデンスがしっかりした信頼性のある情報のように感じられますが、注意が必要です。

そもそも「学会」って何?

「学会」とは何ぞやということですが、辞書などを調べてみると、
『それぞれの学問分野で、学術研究の進展・連絡などを目的として、研究者を中心に運営される団体。また、その集会。』
『学者・研究者たちが互いの連絡、知識や情報の交換、研究成果の発表のために組織した団体の総称。この種の団体には協会という名称を用いるものもあるので、学協会と総称する場合もある。その設立の経緯、規模、組織形態,機能など千差万別である。』

つまり、『学会』とする学術的レベルについては問われるものではなく、ある学問を研究した少数の仲間同士が集まって、もっともらしい名前をつけて「〇〇学会」にしようというようなことだってできるのです。

こういったことから、学問を研究している人たちの集まりということで、専門的なイメージができあがり、学会発表ということになると、その情報はいかにも信頼性があるように思えてしまうのですが、実は全く違います。

学会発表なら誰でもできる

「学会発表なら誰でもできる」というとちょっと語弊があるかも知れませんが、学会によってはお金さえ払えば誰でも発表できるものもあります。
一般的にも、学会発表だと研究概要を提出して、それを主催者がチェックしてOKが出ます。
審査があるにしても、ゆるいチェックと言えます。

また、自分のところの商品を売りたいがために、メーカーが勝手に「〇〇学会」なるものを作って、都合の良いデータのみを宣伝している可能性だってあるのです。

百歩譲って、それが多くの専門家も認めている大きな学会の発表であったとしても、そもそも学会発表は、発表した成果について、ふだんは顔を合わせることのない研究者の批判を仰ぎ、さらに研究の精度を高めていく役割のものです。

つまり、学会発表の段階のものは、それがいかに画期的な内容であったとしても、一つの可能性を示したにすぎない段階であり、その内容が100%信頼できるものかというと、そうではありません。
「この情報は、〇〇学会で発表されたものです」などとしてあっても、そのまま信頼してはいけないのです。

しかし、学会発表だからまったく信頼できないというわけでもありません。最終的に正しいかも知れません。
少なくとも、こんな研究がされているんだなということの理解にはなるのでしょう。

エビデンスを求めるなら、査読がある雑誌への論文投稿

信頼性ということで言うと、査読がある雑誌へ論文投稿されたものが、エビデンスとしては高いと言えます。
これですら、世の中の研究が進むにつれて、やがては間違っていたなんていうこともあります。

査読がある雑誌への論文投稿は、一定の質に達していないと判断された場合は、論文掲載を拒否されることも少なくありません。
こうした査読を通って論文掲載されたものは、一定の質があると判断できます。

論文に掲載されているからすべて信頼できるというわけでもないところが、難しいところなのです。

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