胡瓜(きゅうり)と言えば、カッパが連想されます。
寿司でもキュウリの細巻きを「かっぱ巻き」と言ったりしますが、キュウリとカッパはどのような関係があるのでしょうか。
それはキュウリの栄養成分とも関係があります。
キュウリとカッパの関係
河童(カッパ)の伝説といえば、岩手県遠野市で、カッパの伝説がいっぱい残っているスポットとして知られています。
有名な話としては、カッパはキュウリ好きということですが、これはカッパ(河童)は水の神様と言われています。
カッパ巻きのカッパも、カッパがキュウリ好きということからそう名付けられたという説や、キュウリの切り口がカッパの皿に似ているからなどいろいろ諸説あるようです。
キュウリはその約95%は水分からなっています。
キュウリはこのように瑞々しい野菜であることから、水神信仰のお供え物に欠かせない野菜となり、そこから、カッパはキュウリ好きと言われるようになったようです。

日本へのキュウリ伝来
キュウリの原産地はインドのヒマラヤ山脈で、これが中国を経由して平安時代の前期に日本に伝わってきました。
しかし、キュウリには独特の苦みがあることから、一般に普及したのは江戸末期以降ではないかとされています。
『瓜』がついた食べ物には、南瓜(かぼちゃ)や西瓜(スイカ)などがありますが、胡瓜の『胡』には西方という意味があり、西方から伝わってきた瓜ということで、胡瓜(きゅうり)の名がついたと言われています。
キュウリの栄養
キュウリを栄養面で考えると、その約95%は水分ということで、暑気払いや夏バテ防止の水分補給に有効的です。
水分が多いため、体の余分な熱を取り、ほてった体を冷やしたり、喉の渇きをうるおしたりする効果があります。
キュウリはミネラルのカリウムを多く含む野菜としても知られていて、体内の余分なナトリウムを排出するため、血圧が高めの人にオススメ、優れた利尿効果も期待できます。
淡色野菜にしては、抗酸化作用をもつβ-カロテンも意外と含まれています。
キュウリの青臭さのもとになっている成分はピラジンという成分ですが、血液をサラサラにする効果が期待されています。
平安時代に日本に伝わりながらも、その独特の苦みから江戸末期まで普及しなかったというその独特の苦み成分は、ククルビタシンという苦味成分によるものです。
またそれ以外にも、イソクエルシトリンというフラボノイド系ポリフェノール成分も苦みがある成分で、優れた利尿作用があります。
さらにキュウリには食物繊維も含有していて、腸内の善玉菌の増殖にも役立っています。