ドクダミは、起源植物名は Houttuynia cordata で無理して読み方をカタカナ表記してみると、ハウトゥイーニア・コルダータとなります。
英名は、Chinese lizard tail になります。
ドクダミの概要
ドクダミ科(Saururaceae)ドクダミ属(Houttuynia)になり、原産地は中国・韓国・日本などになります。
茎の先端に黄色の花が穂状に多数咲き、個々の花は1本のめしべと3本のおしべからなっていて、がくと花弁はない無花被花(裸花)になります。
葉は暗緑色でハート型をしていて、長さは約5cm、先は尖っていて、茎はやや赤紫色を帯びています。
ドクダミは、利尿・緩下・解毒の民間薬としても昔から知られていて、センブリ・ゲンノショウコと並んで、日本三大民間薬の一つとされています。
ドクダミの生薬
ドクダミは、花期の地上部、つまり全草を十薬又は重薬と呼ばれる生薬として五物解毒散るなどの漢方でも利用されています。
十薬のラテン名は Houttuyniae Herba (ハウトゥイーニアエ・ヘルバ)で、英名はHouttuynia herb(ハァートゥニア・ハーブ)になります。
天日で1日乾燥した後、日陰干ししますが、葉と花穂が多く、地下茎をつけていないものが良品とされています。
十薬の主な薬効は、利尿・抗菌になります。
十薬の成分としては、主要な成分はデカノイルアセトアルデヒド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ラウリルアルデヒドなどになります。
薬効成分として考えられているのが、フラボノイドのクエルシトリンで、利尿作用や強心作用、血管収縮作用、抗菌作用があります。
さらにドクダミの独特の臭気のもとにもなっているデカノイルアセトアルデヒドにも強い抗菌作用が認められています。
しかし、デカノイルアセトアルデヒドは、生薬とするときに乾燥させた時、ほとんどが酸化してしまいその抗菌作用を失うと言われています。
ドクダミの名前
ドクダミは、毒や傷みに効くということから、「毒痛み」になったという説、毒矯み(毒を矯正する)から来たという説などがあります。
ドクダミは、海外では魚にちなんだ名前がつけられています。
これはドクダミの主成分であるデカノイルアセトアルデヒドやラウリルアルデヒドが臭いのもとで、英語では fish mint と呼ばれ、魚の生臭さに喩えられているところから来ています。
中国では、魚腥草(ぎょせいそう)としてその抗菌作用が期待されて、風邪などに用いられています。
ドクダミの生薬名である十薬は、十もの幅広い薬効があるということからつけられたと言われていますが、ドクダミが十字の花であることからついたのではという説もあります。
重薬は、ドクダミを陰干ししておけばいろいろ重宝するということから名づけられたようです。