葱と言えば、いろいろな料理に使われる名脇役で、薬味として使われたりもします。
葱は、長ネギや白ネギと呼ばれる丈が長く白い部分を食べる根深ネギ、関西以西では一般的なネギとされる九条ネギに代表される軟白していないものの肉質がやわらかい葉ネギ、葉柄は赤紫色でレッドボワローとも呼ばれる辛味が少なくポリフェノールを多く含んでいる赤ネギなどがあります。
葱を使った諺・故事成語
葱がでてくる諺・故事成語といえば、『鴨が葱を背負って来る』になるかと思います。
『鴨が葱を背負って来る』は、略して『鴨葱』と言われることもあり、鴨鍋には葱がつきものであり、鴨が自分で葱まで背負ってやってくれば、そのまま葱と一緒にすぐに食べられて好都合であることから、うまいことが重なり、ますます好都合であることのたとえとしてよく用いられます。
多くの場合は、お人好しが、こちらの利益になるような材料を提供してくるような時に使います。
「お人好しなのもほどほどにしないと、鴨が葱を背負って来たって思われるだけですよ。」というような使い方をします。
ただし、直接その相手に対しては使われません。
例えば、「鴨が葱を背負って来てくださったようなお話を頂いてありがとうございます。」のように、直接その相手に対して使えば、さすがに失礼にあたりますので使わないのです。
葱の選び方
葱は英語で、welsh onionと言います。
葱の上手な選び方は、葉先までピンとしていて枯れていないもので、白と緑がはっきりとしていて、かつ緑が濃すぎないものが良いでしょう。
境目がかたく締まっていて、巻きがしっかりしていてツヤがあると良いでしょう。
九条ネギの場合は、緑色が濃くよく枝分かれしているものが良いでしょう。
保存方法は、根深ネギの場合は、新聞紙に包んで冷暗所に立てて保存するのがよく、葉ネギは湿らせた新聞紙などに包んで冷蔵庫に入れると良いでしょう。
葱の成分
長ネギの緑色の部分を切ると、とろりとしたゼリー状のものが出てきますが、これは多糖類の複合体で、粘性の多糖類になり、加熱しても損なわれない免疫細胞を活性化する働きがあると言われています。
葉の緑色の部分には、β-カロチンが多く含まれている他、カルシウムや葉酸も含まれています。
白い部分には、抗菌作用のある辛み成分であるアリシンが多く含まれていて、ツンとして香りの原因成分になっています。
ネギの有香成分としては、他に抗菌作用をもったネギオールがあり、これはネギの白い部分に多く含まれています。
また、血小板機能が特異的に抑制する働きがあるメチルアリルトリスルフィド(MATS)も、ニンニク同様に多く含まれています。
その他、抗酸化作用があるジアリルジスルフィド類、エネルギー代謝を活性化するS-アルキルシステインスルフィドなどが含有成分として知られています。