ノロウイルスに感染しないために | 健康トピックス

ノロウイルスは、食中毒の原因として非常に多くなっていて、食中毒件数は1年で300件、その患者数はだいたい1万人と言われています。

昔はノロウイルスとは言わなかった

今では、特に冬の胃腸炎の原因となるウイルスとしてノロウイルスはかなり認知されてきていると思いますが、以前は、ノロウイルスとは呼ばれていませんでした。

ノロウイルスは、以前は、小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていましたが、2002年の国際ウイルス学会で、ノロウイルスと名称が変更されました。

ノロウイルスの特徴としては、直径30~38nmの正十二面体の小型の粒子状のウイルスで、本来は正十二面体なのですが、非常に小さいため球状にみえたため、小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていました。

ノロウイルスは、ヒトの腸管のみで増殖する特性があり、たった100個以下の少量のウイルスでも食中毒を引き起こします。

ノロウイルスの感染ルート

ウイルスの感染ルートを知ることは、感染を予防する意味から非常に重要になってきますが、ノロウイルスの感染ルートは、3つほど考えられています。

感染したヒトの糞便中には、1g中に100万個以上、嘔吐物では1g中に1万個以上のノロウイルスが認められています。

感染ルートの1つ目は、ノロウイルスに感染した人がトイレに行きすが、その下水が河川に流れ出て、それがアサリやカキといった二枚貝の消化管の中に蓄積され、この貝をヒトが生で食べることにより感染し、食中毒の症状を引き起こします。

感染ルートの2つ目は、感染した調理従事者の手指を介して、または汚染された食材や調理器具を介して感染していきます。

感染ルートの3つ目は、感染者の糞便や嘔吐物からの経口感染、飛沫感染、塵埃感染、接触感染などの可能性が考えられま。

ノロウイルスに感染するとどうなる、その予防対策は

ノロウイルスに感染すると、通常は24~48時間後に、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの症状がみられます。

発熱はそれほど高くはならず、だいたい38℃以下のことが多くなっています。

乳幼児は嘔吐、成人は下痢症状をきたすことが多く、乳幼児や高齢者は特に嘔吐や下痢による脱水症状、嘔吐物による窒息に注意する必要があります。

不顕性感染(感染してもまったく症状がでない)の場合もありますが、感染して糞便中にはかなりの量のウイルスが排出されています。

ノロウイスルの予防としては、二枚貝の生食は避け、感染したことがわかっている場合は、調理場に立たないことも必要です。

調理前、トイレ使用後は、しっかりと手洗いを行うことも大切です。

加熱でノロウイルスをやっつけるためには、中心部を85~90℃で90秒以上加熱することが理想で、嘔吐物処理をする場合は、手袋やマスクなどの感染対策をとり、500~1000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用します。

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