ヒトのエネルギー代謝を地球エネルギーに喩えると | 健康トピックス

人間のエネルギー生成のしくみと発電は似ているところがあります。

私たちの体は、エネルギーを生成し、その力で動いています。
そのエネルギーとも言えるものがATPですが、これがないと電池を入れていないロボットのようなものなので指一本動かすことができません。

地球エネルギーを考えたときに、問題となっている原子力発電の他に、火力発電、水力発電、風力発電などいろいろな発電方法があります。

私たち人間の体も、エネルギーであるATPを作りだすのに、いくつかのルートがあります。
体の状態、運動状態によってそれらのルートを使い分けて、エネルギーを生み出しているわけです。

人間の体がエネルギーを生み出すために、地球エネルギーでいう火力発電や水力発電といったいろいろなエネルギーの作り方を、私たちの体もしています。
そして、エネルギー源として重要になるのがブドウ糖です。そして効率良くエネルギーを得るためには酸素も重要な役割を果たしています。少ない電力でより多くの電力を生み出すのに使われるのがブドウ糖に喩えることができます。

火力発電でタービンを回すにしても、水力発電をするにしても、ある程度の電力は必要です。
この最初の電力に当たるものがブドウ糖になります。

従って、最初に動かすときに必要な電力、つまりブドウ糖がないと困るので、人間の体は、体に蓄えておいてエネルギーを使うことになります。
ブドウ糖の貯蓄としてはグリコーゲンとしての蓄えがありますが、肝臓のグリコーゲンの貯蔵量は最大で100gと言われていて、これを使い果たすとなくなってしまいます。そこで、ブドウ糖の代わりに肝臓や脂肪組織で蓄えられた中性脂肪を分解してエネルギーを供給するようになります。

エネルギーを蓄える自家発電的なローマン反応

エネルギーとして生成したATPは、そのまま蓄えておくことができればいいのですが、使う前に分解されてしまうので無駄になってしまいます。このへんは電気と似ていますが、そこでその無駄をなくすために、ATPがADPとリン酸に分解されるとき、リン酸を安定なクレアチリン酸の形にしておくのです。

こうしておくことで、クレアチリン酸とADPから速やかにATPを作り出し、急場をしのぐことができます。
急に筋肉を使うというようなときは、いちいちエネルギーを生成していたら間に合わないので、筋肉などに蓄えられたクレアチリン酸が大きな役割を果たします。

いわば急場をしのぐ自家発電装置のようなものと言えるのかもしれません。

効率よくエネルギーをたくさんつくる火力発電にあたるルート

効率的によくエネルギーをたくさんつくるためには、酸素が必要です。
この酸素は、いわば効率良くエネルギーをたくさんつくりだす火力発電における石油のようなものです。

石油がなければ、火力発電は動かせません。

エアロビクスなどの有酸素運動を長く行うことができるのも、酸素を使ってどんどんとエネルギーを生産しつづけているからです。
この火力発電にあたるのが、好気的解糖系やTCAサイクルやβ酸化といった代謝系です。

しかし、短距離走などのときは酸素を使えません。
石油が入ってこないのです。
そんなときは、石油がなくても動く水力発電的な形で体のエネルギーをつくるルートがあります。
これが嫌気的解糖系です。

石油となる酸素がいらなくていいのですが、生成されるエネルギーも小さくなります。
すぐに疲れてしまい酸素が必要になってしまうので、こうした短距離走的な運動は長くできないのです。