人間は頭のてっぺんから足の先まで細胞でできています。
生物は、何があれば生物と言えるのか
『細胞』は、人間のみならず、あらゆる生命体の基本単位です。
この細胞こそが、生物の生物たるゆえんです。
すべての生物が細胞を持っているのです。
いろいろな病気も、細胞が悪くなってくることでなってしまいます。
そもそも、なぜ『細胞』が基本単位なのかということですが、もともと人間も最初は卵子があって、そこに精子が入ってくることにより受精をして、成長をはじめ細胞分裂をして増えていきます。
ちなみに、細胞は1つ1つ生きているので、人工的に増やすことができ、それがいわゆる培養です。
例えば、人の体から皮膚を取ってきて、培養すれば、皮膚の細胞は増えますが、人間にはなりません。
アインシュタインもクレオパトラもチンパンジーも一緒ってどういうこと?
実は、細胞という観点からすると、アインシュタインもクレオパトラもチンパンジーも一緒なのです。
もちろん、頭脳も見た目も全然違いますが、厚生している細胞を取り出して顕微鏡で除いてみると、形状や機能はほとんど同じなのです。
チンパンジーは類人猿で人間に近いからそういうことも言えるのかなと思った人もいるかもしれませんが、チンパンジーでなくても、ハエでも蚊でも同じなのです。
もちろん、骨格筋細胞は円柱状だし、赤血球は円盤状、神経細胞は金平糖のようにとげがいっぱい突き出ていて、繊維状に細長くなっているものもたくさんある。それぞれの細胞に与えられた働きがあり、その働きに見合った形や大きさになっています。
それに機能的には違うので、生き物の間での違いが生じるのですが、形や大きさ、機能が違っても、個々の細胞の中の基本的な構成やしくみは、驚くほど同じようなものになっています。
人間の細胞っていくつ
さて、人間の細胞っていくつあるのでしょうか?
昔、人間の体の細胞の数は約60兆個と習った憶えがある人もいると思います。
ところが、イタリアの生物学者エヴァ・ビアンコニ(Eva Bianconi)は、学会誌『人体生物学紀要』2013年11・12月号で、人間の細胞は約37兆個と発表しています。
そんな膨大なかず、実際に顕微鏡とかで数えたのかということですが、そんなことはできません。
もし顕微鏡を使ってミスなく1秒に3個のペースで不眠不休で細胞を数え続けたとしても、40万年ほどかかる計算になるからです。
ではどうしたのかというと、推測してはじき出した数字が37兆個という数字になります。
最初の60兆個という数字も、推測してはじき出した数字ですが、人の細胞は大きさがまちまちであるということがわかり、それらを考慮して、約、37兆個となったのです。
もっとも、だから何なんだ? そんなことが変わっても別に私たちの生活がかわるわけでもないしと言われてしまえば、それまでなのですが。