鼻には空気を温めて、加湿する働きがありますが、外気が冷たくなり乾燥してくる冬は、鼻が一種のフィルターの働きをして、私たちの体を守ってくれているのです。
冬に鼻水がよく出る
冬に鼻水が出るのは、一つはスギなどの花粉アレルギーが考えられます。
スギ・ヒノキ花粉というと、3月から5月にかけてというイメージがあります。
もちろん飛散のピークは春なのですが、スギ花粉は、すでに1月から飛び始めています。
また秋にもスギ花粉は飛んでいるので、スギ花粉のアレルギーが出やすい人は、春のピークとなる前に、冬のうちから鼻がムズムズするといった症状が出てくるのです。
鼻の症状が、ハウスダストやダニによるアレルギーが原因だとすると、冬に引っ越しでもしない限りは、ダニやハウスダストは通年性なので、冬だけに症状が出るということはありません。
暖房器具が鼻水の犯人だった
スギやヒノキによるアレルギーはないといった場合でも、冬になると鼻水が出るという人もいます。
これにはいくつか原因が考えられますが、大きな原因の一つが暖房器具です。
冬になると、ファンヒーターなど温風が噴き出てくるタイプの暖房器具が使われたりします。
実は、冬になり寒くなってきたので今までしまってあったファンヒーターを出して、スイッチオンとかやると、使用していなかった間に、ファンヒーターなどの暖房器具の中にたまったほこり・カビ・ダニなどが温風とともに出てくるのです。
これを吸い込むことによりアレルギーを発症し、鼻水がでてきたりします。
温風ヒーターなどを使い始めるとき、しっかりと掃除してから使用するのが良いでしょう。
もし、温風ヒーターを出してから鼻の症状が出てきたという場合は、もしかしたら温風ヒーターなどの暖房器具が原因になっている可能性があります。
家は平気なんだけど職場で症状が出るという人は、もしかしたら職場の空調で、温風が噴き出るところにちょうど机があるといったケースもあります。
もし、職場だけで症状が冬に鼻の症状が出てくるというのであれば、空調もチェックしてみてもいいかもしれません。
冬には意外な鼻の症状の原因も
風邪でも花粉症でもなく、暖房器具も関係なさそうなのに、冬になると鼻水が出たり、鼻がつまったりする人がいます。
こうした人の鼻水を調べてみても、鼻水の中にはアレルギー症状のときに見られる好酸球などが見られません。
血液検査をしてみても、アレルギー反応が起きていることを示すIgEは正常範囲になっています。
こういった場合は、温度変化による血管運動性鼻炎が考えられます。
冷たい空気を吸い込んだり、急に暖かい部屋に入ったとき、鼻水が出たり、くしゃみが出るといった経験をした人がいると思いますが、温度変化によって鼻の粘膜が刺激を受けて、鼻水や鼻づまりになるのです。
夏に冷房がきいた部屋と暑い外を出入りするときに、くしゃみや鼻水が出るのと同じです。
体が急に冷えたり、暖かいところに入ったりすると、血管運動性鼻炎による鼻水や鼻づまりの症状が出るのです。
冬、寒い外に出た時、鼻がつまるのは、冷たい外気を察知し、より温めないといけないとばかりに鼻の粘膜の分泌が増えることで鼻づまりが起こることがあります。
こうした場合は、温めたタオルで鼻を温めると良いでしょう。