味噌汁は塩分が多いので高血圧の人は控えるべきは大間違い! |健康トピックス

味噌汁というともちろん味噌を使っていますが、味噌は塩分が多く体に悪いというイメージがあります。

実証されている血圧を下げる効果がある味噌汁

「味噌は塩分が多い」、「味噌は血圧を上げる」ということが言われるようになりましたが、実は、味噌には血圧を上げるどころか、血圧を下げる作用があり、さらにはガンの予防効果などもあることがいろいろな研究からわかってきています。

実際に、共立女子大学の研究では、人間ドックを受診した102人の男性を調査したところ、味噌汁の摂取頻度と血圧の間には相関性がないことがわかっています。

さらには、味噌汁を1日2杯以上飲む人は、そうでない人と比べると、高血圧になるリスクが0.18倍となっています。
つまり、味噌汁を1日2杯以上飲むと、高血圧になるリスクが0.18倍と大幅に下がるという結果も出ているのです。
Asia Pac J Public Health 11:77-81, 1999.

味噌汁でなぜ血圧が下がるのか

味噌汁には当然味噌が含まれています。その味噌は大豆を麹などで発酵させたものです。
さらに味噌汁の中には、豆腐や油揚げなどの大豆製品を入れることも多くあります。
血圧が下がるのは、これら味噌・豆腐・油揚げなどの原料となっている大豆に含まれている大豆イソフラボンが大きな役割を果たしているためです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンと構造が良くにていて、女性ホルモンと似た働きをします。
そのため、血管の内皮細胞を保護し、血管をしなやかにし、血圧も下げてくれます。

さらに、味噌の褐色色素であるメラノイジンも、血圧を上げるホルモンの生成を促す酵素の働きを様食べることにより、血圧の上昇を抑える働きがあることがわかっています。

高血圧・糖尿病の治療をしていない人を対象に、5年間味噌汁を飲んでもらい、追跡調査を行った結果、1日に味噌汁を1杯飲んだ場合と3杯飲んだ場合を比べると、血圧には影響しないことがわかっています。

塩分を控えるなら味噌汁より先に考えるべきものがある

確かに、塩分が多い食事をして、塩分過多になると高血圧を招くというのは事実です。
そして、血圧が高い状態が続くと、心臓や血管への負担が増えて、動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中のリスクが高まってしまいます。

だからこそ、塩分の摂りすぎには注意しなければならないのですが、共立女子大学が、第36回日本高血圧学会報告リリースで発表したデータによると、味噌汁に含まれる塩分摂取量への寄与率は2%と言われています。
調味料や香辛料などに含まれているものの寄与率が14%、漬け物類が9%、佃煮類が6%と、味噌汁よりも塩分を気にすべきものがたくさんあるのです。
ちなみに、ゆで麺の寄与率は5%、米の寄与率が1%ですので、常識を超えるような大量の量の味噌汁を飲まない限り、味噌汁に関しての塩分についてはそれほど気にしなくてもよいのです。

最新情報をチェックしよう!