咀嚼は意図してできる唯一の消化運動 | 健康トピックス

よく噛むことが推奨されていますが、そんなに噛んでいたら食事に時間がかかるし、あごが疲れてしまうと文句を言いたくなる人もいるかもしれませんが、よく噛むことはいろいろな面において大切なことなのです。

良く噛むことのメリット

よほどのメリットがなければ、噛まずに怠けたいと思う人もいると思いますが、良く噛むことには非常に多くのメリットがあるのです。

まずは、脳への刺激です。

噛むことによって、あごが動き、すぐ近くにある脳にその刺激が伝わります。
そして脳細胞が刺激され、脳の血流が良くなり、脳が活性化します。

子供の学習向上や、高齢者の認知症予防にも良く噛むことが重要とされています。

特に子供のころ良く噛んで食べるクセをつけると、口の周りの筋肉が鍛えられ、あごの発達が良くなります。

したがって、歯並びが良くなる効果も期待でき、活舌の良さにも影響を及ぼしてきます。
大人でも、良く噛むことで顔の表情筋が鍛えられ、表情が豊になったり、発音がはっきりしてくるといった副次作用が期待できるのです。

唾液分泌がもたらるメリット

良く噛むことは、あごなどの筋肉の運動のみならず、唾液の分泌を盛んにします。

唾液の分泌が盛んになることでも、さまざまなメリットがあります。

唾液は消化酵素ですので、消化機能が高まることはもちろんのことですが、唾液を十分に分泌されることで、味覚を感じる味細胞が刺激され、食材の味に敏感になります。

さらに、唾液には口の中を洗い流す自浄作用があり、酸を中和したり、細菌に対する抗菌作用もあります。さらには酸によって溶かされた歯を修復する再石灰化も促します。

このように、よく噛むことによって唾液がたくさん分泌されることのメリットは大きいのです。

よく噛まないことによるデメリット

逆に良く噛まないことによるデメリットを考えてみましょう。

軟らかいものばかり食べてあまり噛まない生活をしていると、唾液が正常に分泌されなくなります。

すると、歯の表面に歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるので、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

さらに噛む筋肉が鍛えられないので、顎関節症なども起こしやすくなり、顎関節の痛み、頭痛、肩こり、首の痛みを起こす可能性もあります。

そして表情筋も鍛えられないので、顔の筋肉がたるみ、年取ってみえるようになってしまいます。

本来咀嚼は、随意で行われる

食べ物を咀嚼(よく噛む)するときに働くのが咀嚼筋ですが、これは自分の意志で動かすことができる随意筋です。

例えば、消化器系の胃腸の蠕動運動などは、自分の意志で行うことはできません。

しかし、咀嚼は、例えば30回噛むと決めれば、自分の意志で30回咀嚼することができます。

咀嚼は、随意筋でできるのに、不随意筋であるかのように無意識に咀嚼している人のほうが多いでしょう。

せっかく自分の意志で動かすことができ、それにより消化機能がアップするだけでなく、オーラルケアにも、学習にも、美容にも良い影響があるので、意識的に30回噛む習慣をつけるのは良いことなのです。

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