夏に乳幼児の間で流行する手足口病 | 健康トピックス

九州を中心に手足口病が流行しはじめてきています。ほとんどの場合は予後も良好で、瘢痕や色素沈着もなく3~7日で発疹も消えていきますが、注意しないといけないケースもあります。

手足口病を引き起こすウイルスの正体

手足口病は、エンテロウイルス感染症の一種で、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群によって引き起こされる感染症です。

エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群は23種類ありますが、そのうち10型と16型が手足口病を引き起こします。

しかし、エンテロウイルス属は、お互いに性質がよく似ているので、1種類のウイルスに対して疾患が1つという対応ではなく、エンテロウイルスの71型によっても、手足口病は発症します。

エンテロウイルス属の特徴としては、腸管内で増殖していき、感染しても症状が出ない不顕性感染も多くなっています。

手足口病の疫学

手足口病は、季節的には特に夏、乳幼児に流行します。

感染し発症すると、手の平や足の裏、口の中などに水疱疹がでてきます。

見立てとしては、乳幼児において、発熱して口の中を中心に水疱疹・びらん・潰瘍がでてきて、それから送れるようにして、手・足・下腿部に水疱疹が出てくる場合は、手足口病が考えられます。

発症は、4歳以下の乳幼児に好発しますが、特に1歳が最多となっています。
不顕性感染で、感染しても発熱するのは全体の3割程度ほどで、発熱がない場合のほうが多くなっています。

手足口病の感染経路

手足口病の原因となるエンテロウイルスの感染は、咽頭からの痰や便などで排出されたウイルスから感染します。

手などに付着したウイルスを口から取り込んで感染するケースが多く、2~3mmの水ぶくれ状の発疹が現れて3~7日で治っていきます。

唾液の飛沫や排泄物への接触によって感染していきますので注意が必要です。

手足口病の感染予防

手足口病の予防はなんといっても手洗いの徹底です。

また、手足口病に感染して発症した場合、発疹などの症状が消えても、2~4週間は便にウイルスが排出されます。

発疹が消えたからといってもう感染しないだろうと安心してはいけません。

石けんでしっかりと手洗いを徹底することが大切ですし、子供動詞でタオルの共有などをしていると、それが原因で感染を広げてしまうことがあるので注意が必要です。

頭痛や吐き気、意識障害がる場合は要注意

手足口病に感染し、発症し発疹が出てきた場合でも、たいていの場合は発疹は3~7日程度で瘢痕や色素沈着を残すこともなく消えていきます。

しかし、ごくまれにですが無菌性髄膜炎や脳炎、熱性けいれんといった合併症を引き起こす恐れがある。
頭痛や嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することをオススメします。

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