いろいろと社会環境が変わってくるにつれ、うつ病に関してもこれまで中高年に多く見られた、古典的・定型的なうつ病といわれるメランコリー親和型うつ病は減少傾向となり、それに代わり20~30代の若者でディスチミア親和型うつ病が目立ってきています。
ディスチミア親和型うつ病は、ちょっとしたことで落ち込んでしまうもので、面倒くさい、億劫、何もする気がしないということを訴え、自宅に引きこもってしまったりします。
メランコリー親和型
年齢層:中高年層に多くみられます。
性格や気質:秩序を重んじて、仕事が熱心で規範を好み、社会的役割について重く考える。気配りがあり几帳面でメランコリー性格や粘着気質がある。
病的変化:焦燥と抑制、罪悪感、疲弊感がある。問題は、自殺企図が常にあること。
経過:初めはうつ病ということに対して抵抗感がありますが、次第にうつ病ということを認知して役割意識をもつようになる。
予後:薬の服用と休養で軽快しやすい特徴がある。
認知と行動:病気による行動の変化が明らかになり、役割意識を獲得する。
ディスチミア親和型
年齢層:若年層に多くみられます。
性格や気質:メランコリー親和型とは違い秩序に対しては否定的で規範に対して抵抗する傾向がある。あまり仕事熱心でなく無力感がある。自分自身に愛着がある。ぼんやりした万能感をもっている。
病的変化:他罰感情・他者への非難と回避。不全感があり倦怠感がある。衝動的な自傷や軽い自殺への思いがある。
経過:初めから診断に協力的。その後うつ症状の有無に固執しがちとなり、慢性化することもありうる。
予後:薬の効果は部分的な効果であるが、環境の変化で急速に改善することもある。
認知と行動:行動や言動などにおいて、それが生き方なのか症状なのか分かりにくいところがある。
ひきこもり・不登校
ひきこもり
最近の若い世代の中には、いわゆる「ひきこもり」という人が増えてきていますが、「ひきこもり」は、厚生労働省がその定義を公表しています。
厚生労働省の「社会的ひきこもり」の定義
以下の5項目を満たす場合が「社会的ひきこもり」
1.自宅を中心とした生活
2.就学・就労といった社会参加活動ができない・していない者
3.以上の状態が6ヵ月以上続いている
4.統合失調症などの精神病圏の疾患、または中等度以上の知的障害(IQ50~55)をもつ者はのぞく
5.就学・就労はしていなくても、家族以外の他者(友人など)と親密な人間関係が維持されている者はのぞく
不登校
ちなみに、不登校の定義は文部科学省が出していて次のようになっています
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的な理由によるものをのぞく)」で30日以上欠席した場合