熟年世代のうつの症状と実際の対応 | 健康トピックス

熟年世代になると、体の衰えに加え、いろいろな環境変化も起きてきます。
子供の自立、定年退職、いろいろな喪失感がうつへとつながるケースが多くなってきます。

もちろん、気分が落ち込んだり憂うつな気分になったりすることは誰にでもあることですが、その状態が長く続き、ひどく憂うつで日常生活にも支障をきたすようになってくれば、うつ病と言えるでしょう。

熟年世代のうつの特徴

若い人でもうつ病になりますが、熟年世代のうつは、若い人に比べて体の症状が出やすいという特徴があります。

若い人だと、気分の落ち込みや憂うつ感を訴えたりしますが、熟年世代になると自分が精神的に弱っていることを認めようとしない部分があり、その分、体の症状が目立ってきます。

熟年世代のうつで現れやすい体の症状

熟年世代のうつの症状としては、夜なかなか眠れなかったり、朝早く起きてしまいそれから寝付けなくなってしまう不眠症状があります。

さらに頭が痛くなったり、締めつけられるような感じがしたり、頭に違和感や重みを感じたりします。

食欲はあまりでず、胃腸の動きが低下して、お腹がすいてこないといったケースもあります。

体の全身がだるく疲れやすく、ひどくなるとうまく歩けなかったり、そのまま寝た切りになってしまうこともあります。

体の不調はあるものの、検査しても異常が認められないといったケースもあります。

熟年世代のうつで現れる精神的な症状

精神的な症状としては、気分が落ち込み、ほとんど毎日、はっきりした原因もないのに憂うつな気分の状態で、何もする気が起こらないといった症状があります。

* 好きなことが楽しめなかったり、体の動きも鈍くなってきます。
* 物事に集中できなかったり、考えがまとまらなかったりします。
* 段取りよく動けなくなってきて、口数も少なくなってきます。
* 相手の言っていることが理解できなかったり、忘れっぽくなることもあります。
* 不調を自分のせいだと思い、なおさら落ち込んだり、周囲に迷惑をかけられないと自分を責めたりすることもあります。

* 自分には価値がないと感じることもあり、不安や焦りで頭がいっぱいになってきます。
* 突然に感情が高ぶって泣き出したり、ちょっとしたことですぐに怒鳴ったりすることもあります。

熟年世代のうつの上手な対応

熟年世代のうつの大きな特徴として、体の衰えがからんでいることがあげられます。
年とともに体力が衰えてくると、特にスポーツ好きな人だと今までやってきたことが体力的にきつくなってきたりします。

するとそこで大きなショックを受けてしまいます。

もちろん、容姿的にも体の衰えを感じ、シワや白髪が増えてくることは、おしゃれであればあるほどつらいものだったりします。

そうした時、できなくなったから楽しんできたことをやめるのではなく、楽しんできたことの軸は変えないで、楽しみ方を少し変えてみるという発想がとても大切なのです。

たとえば、ランニングを楽しんできた人は、ウォーキングに変えてみるとか本格的な山登りをしていた人は、低い山のハイキングにしてみる。

エアロビクスをしていた人は簡単ヨガにするとか、流行のおしゃれをしてきた人は、年相応のおしゃれを楽しむといった具合に変えていくのです。

そうすると、熟年だからこその魅力というものも生まれてきたりします。

熟年世代のうつの人に言ってはいけない言葉

熟年世代のうつの人に言ってはいけないNGワードがあります。
それは、病気扱いすることです。

「あなた、うつだと思うから精神科に言ったほうがいいわよ!」

こんなこと言われたら、自分は心の病気になんかならないはずだし、うつは弱い人間がなるものだと思い込んでいる人ならば、なおさら受診を拒んだりしてしまいます。

「ストレスがあるみたいだから、専門家に相談してみたら」

というように、病気扱いではなく、ストレスを解消しましょうという言い方に変えていったほうが良いでしょう。

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