生体防御システムと易感染性 | 健康トピックス

私たちの外界には、ウイルスや細菌、アレルゲンとなる物質の抗体などがあり、特に外傷や手術などにより皮膚や粘膜に障害があると、これらの影響をより受けやすくなります。

体の防御システム

皮膚の表面には、分泌型IgAが、粘膜での菌定着を防ぎ、毒性や感染性を中和してくれています。

皮膚や粘膜のバリアを突破され、ウイルスや細菌が入り込んでも、リゾチームやラクトフィリン、デフェンシンなどといった抗菌物質が、金の増殖を抑制したり、抗菌作用を発揮したりしてくれています。

また、自然免疫と呼ばれる非特異的免疫システムとして、好中球やNK細胞が、標的となるウイルスや細菌を傷害してくれていて、さらにマクロファージや好中球といった食細胞による貪食作用、さらにサイトカインなどの分泌により、抗菌作用を発揮しています。

一方活性化したマクロファージやリンパ球、細胞障害性T細胞(CTL)などが、獲得免疫という特異的面系として働き、直接細菌やウイルスを撃退してくれています。

IL-12やIL-18といったサイトカインによるT細胞が分化し、ヘルパーT細胞などが活性化されます。

また、ヘルパーT細胞より分泌されたIL-4、IL-5、IL-10などによって、B細胞が形質細胞へと分化します。

皮膚や粘膜のバリアシステム

マクロファージや好中球の貪食細胞の働き、液性免疫の働き、細胞性免疫の働きも重要ですが、その前に、正常な皮膚や粘膜によるバリア機能も忘れてはいけません。

感染症となるためには、まず細菌やウイルスなどの病原体が入り込まないといけませんが、その入り込む入口となるのが、鼻粘膜・口腔粘膜・気道粘膜・消化管粘膜・皮膚になります。

皮膚は粘膜と違って、硬い角質層で守られていて、そこで細菌の侵入を防いでいます。

しかし、幼児はまだ角質層の発達が未熟であるため、皮膚の感染症を起こしやすくなっています。

粘膜は、粘液や抗菌物質で覆われていて、さらに気道上皮などには繊毛があり、侵入してきた病原体やホコリを絶えず体の外へ運び出してくれています。

痰は、こうした運び出された病原体やホコリが大きな塊になったものと言えます。

繊毛の運動機能が落ちてきたり、粘液が過度に粘稠になることでその動きが悪くなれば、病原体やホコリを上手く繊毛運動で排出できなくなり、結果的に感染のリスクがあがってしまいます。

易感染性とは

『易感染性』の読み方は、「えきかんせんせい」と読む人もいますが、通常は「いかんせんせい」と読みます。

『易感染性』とは、免疫の機能が低下し、病気を引き起こす細菌やウイルスなどの病原菌に感染しやすくなっている状態のことをいいます。

『易感染性』は、感染を繰り返しやすいという点、感染が重症化したり慢性化しやすいという点、健常者ではみられない感染症つまり日和見感染症に罹患するという点があります。

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