良い姿勢とは、常に安定した姿勢と言えます。
支持基底面の違いによる安定性
例えば、立っている姿勢においても、その量愛の位置だけをみても、安定している姿勢と不安定な姿勢とがあります。
立っている時に安定しているかどうかの一つの指標に、支持基底面の広さが挙げられます。
支持基底面とは、両足で立っているときに、両足底及びその間の部分の合計した面積になります。
つまり、足を開いて立っている時のほうが、支持基底面が広くなり、この支持基底面が広いほど安定性は良くなります。
立っているときは、両足を閉じて立っているよりも、両足を開いて立っているほうが支持基底面が広いので安定しているということになります。
さらに両足を開いた状態から片足をそのまま少し前に出すと、支持基底面がさらに広くなるのでより安定します。
さらに杖などを持つと、支持基底面は、両足底面と杖がつく部分を頂点とした面積になるので、さらに支持基底面が広くなり安定します。
良い姿勢を維持するための条件
安定性がある姿勢は、支持基底面が関係してきますが、良い姿勢となると、力学的・生理学的・心理学的に安定であり、美的に美しい姿勢とことになります。
力学的に安定というのは、静止姿勢において、体の重心線が支持基底の中心に近ければ近いほど安定性が良くなります。
重力がかかっていると、各関節がバランスを取って、筋-靭帯などの活動が必要となってきますが、この活動が少ないほど力学的に安定した良い姿勢です。
生理学的に安定というのは、作業効率が高く、快適に作業できる姿勢で、循環器や呼吸器、消化器などに過剰な負担がかからない姿勢になります。
勉強や仕事をするときは、机や椅子の高さ、机の広さなどが良い姿勢を取るために非常に重要な条件になってきます。
また、家事で台所仕事をする場合は、作業台や流し台の高さが環境要因として大切になってきます。
家事で台所仕事をする場合は、理想的な流し台の高さは、『身長÷2』より5~10cm高い高さが良い姿勢で家事をしやすい高さと言われています。
もし流し台が高ければ、スリッパやサンダルなどを履いたり、床に敷物を敷いて高さを調整することができますし、もし流し台が低いというのであれば、腰かけなどを利用して自分に合った高さに調整すると良いでしょう。
心理面も美的面を良い姿勢に影響
良い姿勢というと、どうしても身体的面や生理学的面を考えてしまいがちですが、心理的に安定していることも大切です。
なぜならば、姿勢には心理的な影響が反映されるからです。
安定した心理状態は、背筋が伸びた良い姿勢につながりますが、不安や劣等感などがあり心理的に不安定だと、背中が丸まり猫背になってきます。
美的面ですが、やはり見た目に不自然であまりよくない姿勢というのは、良い姿勢とは言えないものです。