赤ちゃんをよく観察していると、片方のおっぱいばかり好んで飲むということがよくあります。
果たしてこれは、どうしてなのでしょうか。
赤ちゃんって味がわかってるの?
片方のおっぱいばかり好んで飲むのは、左右のおっぱいで味が違うということが推測されますが、それでは、そもそも、赤ちゃんって味がわかっているのでしょうか。
たとえば汗にしても、食べたものによって多少味が変わったりしますが、当然、母乳もママが食べた食事によって多少味が変わるとも言われています。
人間の感じる味は、ご存じのとおり酸味、苦味、甘味、塩味、うま味の5つと言われていますが、この中で人間生きていくのに必要とされているのが、甘味(炭水化物)・塩味(ミネラル)・旨味(タンパク質)です。だから人間はこの甘味・塩味・旨味が好きな味になっているのです。
そして実は、これらの味を赤ちゃんがわかっているかどうかということですが、実は胎児の時から味がわかっています。
えええ、そんなのウソだろ?と思うかもしれませんが、人間の舌には味を感じる味蕾(みらい)という部位があるのですが、この味蕾は妊娠3ヵ月ごろから機能しはじめることがわかっています。
妊娠8ヵ月になることには、味覚は完成していて、すでに甘味と苦味の区別がつくとも言われています。
そしてママが食べたものの栄養が羊水に溶け込んで味がでていて、胎盤から栄養をもらうときに味覚を感じているということも言われています。
ちなみに、赤ちゃんの味蕾は、大人より3割りほど多いので、赤ちゃんは味に敏感なのかもしれません。
左右で母乳の味が違うって本当?
赤ちゃんが味の違いを区別できているということはわかりましたが、それならば、人間の左右の母乳の味は本当に違うのでしょうか?
多くの場合、片方が甘いのに、もう片方がしょっぱいというようなことはよくあるようで、こうなってしまう理由は、母乳が作られてから溜まっていた時間が影響していると言われています。
母乳は、3時間以上経つと塩っぽくなってしまうようで、赤ちゃんが片方のおっぱいだけを好む、あるいは赤ちゃんに乳をあげる際に、クセでどうしても片方のおっぱいからだけ授乳させてしまうといったケースがあると、よく赤ちゃんが飲むほうのおっぱいの母乳は入れ替わっているので新鮮な甘い乳がでますが、反対側のあまり吸われないおっぱいのほうでは、母乳がたまってしまいおいしくなくなるということが起こり、まずいので赤ちゃんが嫌がり、ますます母乳がたまるという悪循環になっていきます。
これを防ぐために、溜まっていたほうの乳房をマッサージすることにより定期的に搾乳することで、母乳の味の改善が図られます。