骨を丈夫にするには牛乳が良いのか | 健康トピックス

牛乳や乳製品は骨粗鬆症の原因になるのではないかという情報ももありますが、その信ぴょう性はいかがなものなのでしょうか。

牛乳や乳製品は骨粗鬆症の原因になるはウソ情報

少なくとも、骨粗鬆症に関する学会などで「牛乳や乳製品が骨粗鬆症の原因になる」なんて報告はありません。
むしろ、カルシウムは骨粗鬆症の予防につながることを証明した論文はたくさんあります。

牛乳をたくさん飲むとカルシウムの摂取につながり、骨粗鬆症の予防に有効であるとする論文は数多く出されているうえ、牛乳や乳製品の摂取量を増やすと小児期の骨量増加につながり、中高年期の女性に対しては閉経後の骨量現象を抑えるということが報告されています。

牛乳いっぱい飲まないと大きくなれないぞと強制すべきではない

人間は離乳期を過ぎると、牛乳に含まれている乳糖を分解する能力が落ちてきてしまいます。

哺乳類であり、生まれたばかりは乳が必要ですが、いつまでも乳を必要としていたら、次の子供が産めなくなってしまいますので、乳があまり飲めなくなって離乳していくという自然の摂理ともいうべきうまくできているのです。

乳糖をうまく分解できない「乳糖不耐症」の人は、日本人をはじめとした黄色人種・アフリカ系の人・地中海沿岸の人々は7~9割にのぼると言われています。

これに対して、日ごろから乳製品を多くとる西欧や北欧の白人は「乳糖不耐症」の人が1割ほどしかいないと言われています。

日本人は85%が「乳糖不耐症」と言われていて、せっかく牛乳を飲んでも、お腹がゴロゴロして下痢をしてしまったりでカルシウムを十分吸収できないということはあります。
また、「乳糖不耐症」なので牛乳をあまり飲めないという人もいます。

「牛乳をいっぱい飲まないと大きくなれないぞ!」などと言って、嫌がる子供に無理やりに牛乳を飲ますことは良くないのです。

牛乳だけでカルシウムを補おうとすれば、それはカルシウム不足になる可能性もあるということなのです。

乳糖不耐症の人のカルシウム対策

カルシウム源である牛乳があまり飲めないという人は、いろいろ対策があります。

乳糖不耐症だと乳糖をあまり分解できないと言われていますが、牛乳を一度に大量に飲んだりしなければ、一応成人になっても乳糖も分解できます。

冷たい牛乳を飲むよりも、牛乳を温めて、それをゆっくり飲んでいけば、お腹がゴロゴロしたり下痢を起こしにくくなります。

またヨーグルトやチーズなどの牛乳を使った発酵食品では、乳酸菌などが乳酸をブドウ糖とガラクトースに分解してくれるので下痢などが起こりにくくなります。

カルシウムの補給も牛乳だけに頼らず、100gあたり牛乳の約37倍ものカルシウムを含んでいる干しえび、約20倍含んでいる煮干し、約14倍含んでいるひじきなどの食材からカルシウムを摂るようにすると効率的にカルシウム摂取できます。

牛乳を飲んでいさえすれば、カルシウムが摂れて足りると考えるのではなく、牛乳以外の食材からもバランスよくカルシウムを補給することが大切です。

最新情報をチェックしよう!