長時間のパソコン作業や、1日中目を酷使した結果、夕方ごろになると目がショボショボしてきて、焦点が合いにくくなり、目がかすんで見えにくいという感じになった経験はないでしょうか。
どうしてこのような現象が起こるのでしょうか。
なぜ、目を酷使すると目がかすんでくるのか
私達の目は、見る対象物によって、ピントが合うように目の中にある水晶体というレンズの厚さを調整しています。
このレンズにあたる水晶体の厚みを変化させることによって、見たいものにピントを合うようにしているのです。
それでは、この水晶体の厚みをどうやって変えているのかというと、水晶体を支えている毛様体筋という筋肉です、
この毛様体筋が収縮することによって水晶体の厚みが調整されているのです。
人間の目は、もともと近くをみるようにはできていません。
そもそも、人間は古来から自然の中で、いち早く遠くにいる敵を察知したり、獲物を見つけたりということから考えても、理解できると思います。
パソコンなど近くを見る作業を続けていること自体が、本来からすると不自然なことになるのです。
つまり、パソコンなどの近く見るという作業をする場合は、毛様体筋に力を入れて、無理して近くを見ているようなもので、それが長時間続くと毛様体筋が疲労を起こしてしまい、目のピント調整機能が低下してきてしまいます。
その結果、夕方になってくると、目のピント調整機能が落ちてきて、目がかすんで見えるというような症状も出てくるのです。
夕方、目がかすんでみるようになってきたら蒸しタオル
夕方、目の酷使によってどうも目のピントが合いづらくなってきて、目が疲れた、目がかすんで見えるというような場合はどうしたらよいでしょうか。
ここで有効なのが、蒸しタオルを目に当てるという方法です。
よく喫茶店やレストランなどにいくと、席につくやいなや配られた熱々のおしぼりを袋から取り出して、目に当てている人をよく見かけます。
中年のおじさんっぽいと言ったりする人もいたりしますが、これは目の疲れを取るということからすると、非常に理にかなった賢い行動なのです。
実際に、パソコン作業をした後に、心地よいとされる約40℃の温度の蒸しタオルで3分目を温めた結果、目のピント調整力が回復することが明らかにされています。
3分も蒸しタオルを当てていると、タオルの温度が下がってきますが、目に当てている時間は3分もあれば、十分目のピント調整力は回復してきます。
目に蒸しタオルの効果
目に蒸しタオルを当てて目を温めると、自律神経のバランスが整います。
仕事をしていて交感神経が優位になっているところで、蒸しタオルで目を温めると、副交感神経が優位になってきて、リラックス効果が期待できます。
そして、今まで緊張していて毛様体筋もゆるみ、ピント調整力が回復してきます。
目を温めることで、自律神経のバランスが取れ、体の血流も高まり、快眠にもつながるということで、こうしたことをコンセプトにしたアイマスクなども販売されています。
蒸しタオルは、普通のタオルを水に浸けてからしぼり、それを電子レンジで500Wで1分間温めてもOKです。
ヤケドのリスクを避けるために、余裕で手で持てる熱さかどうかを確かめてから目に当てると良いでしょう。
目に当てる時間は3分で十分です。