この魚卵、誰の子? | 健康トピックス

「たらこ」はその名のとおり、その親は「タラ」だなっと連想はつきます。

また「いくら」ぐらいは、よく寿司屋でも出てくるおなじみの食材なので、その親は「サケ」だなっとわかるかと思いますが、数の子になるとあやしくなってきて、カラスミやキャビアになると、何の魚の卵なんだろうとなってしまう人も少なくないと思います。

たらこ・いくら

まずは、庶民的な「たらこ」と「いくら」についてみていきましょう。

「たらこ」は、スケトウダラの卵巣で、正確にはスケトウダラの卵巣を塩蔵したものになります。

市場に出回っているものの多くは、アラスカやロシアから冷凍で輸入され、それを国内で加工したものになります。

赤く着色したものは、「紅葉子(モミジコ)」と呼ばれ、またスケトウダラではなくマダラの卵巣を使ったものは「マダラコ」と呼ばれています。
「マダラコ」は、卵巣の袋が固く、袋から出すと卵は一粒一粒バラバラになります。

「いくら」は、ロシア語で魚卵を意味し、成熟したサケの卵巣から卵を取り出して、一粒一粒バラバラにしたものになります。

成熟していない未熟なサケ類の卵巣は「すじこ」と呼ばれ、中でもマスの卵巣を使用したものは「ますこ」と呼ばれ、粒が小さくやわらかくなっています。

「いくら」で気をつけたいのが「人造イクラ」というものがあり、これは「いくら」とは似て非なるものです。
「人造イクラ」は、海藻の抽出物で植物油を包んだもので見た目も味もよく似ています。

数の子

「数の子」といえば、正月のおせち料理などで子孫繁栄を願った縁起物として出てくるニシンの卵巣を塩蔵したものです。

北海道でのニシンの漁獲高が減るとともに価格が上がり、黄色いダイヤと呼ばれています。
数の子と同じくプチプチとした食感がある「トビコ」は、トビウオの卵を塩蔵したものです。

ちなみにニシンが昆布やワカメの表面に卵を産み付けたものは、子持ちコンブ、子持ちワカメなどと呼ばれたりします。

数の子も、いくらと同様に、コピー商品があり、カラフトシシャモの卵を原料として、それを魚肉すり身と混合して塩蔵卵を成形したものがあります。

カラスミ・キャビア

「カラスミ」は、ボラの卵巣を良く洗い、塩漬けにしてから塩抜きして、天日で乾燥したものになります。

カラスミは、ボラを取り、すぐに腹から卵巣を取り出して水洗いするのですが、その後の血抜き作業が大変で、卵巣に通っている多数の血管の1本1本を小さな穴を開けて手作業で取っていきます。

また天日干しは2週間かけて行われ、1時間おきに返して均一に日光が当たるようにします。

こうしてみると、カラスミはかなり手間がかかっている商品なのです。

「キャビア」は「フォアグラ」と「トリュフ」と並んで世界三大珍味ともされていますが、チョウザメの卵を塩漬けにしたものになります。

世界的にみると、チョウザメはカスピ海に集中して生息していることから、約90%はカスピ海産となっています。

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