チクチク・ピリピリ、汗をかくとでてくる膨疹、コリン性蕁麻疹とは | 健康トピックス

風呂上りであったり、運動後であったり、汗をかくと、円形の小さな膨疹がたくさんできて、痒みに加えて、ピリピリ・チクチクとした痛みがある場合もあります。
これは、『コリン性蕁麻疹』と言われるものです。

コリン性蕁麻疹の症状

『コリン性蕁麻疹』は入浴、運動の他、精神的な緊張などの発汗刺激によってでてくる蕁麻疹で、5mm以下(粟粒大~小豆粒大)の点状の膨疹が出てきます。

辛味の強い食物を食べた時、緊張して体温が上昇した時にも出やすかったりします。

『コリン性蕁麻疹』の好発年齢は、10代から20代と若くなっていて、通常は、5mm以下の小さな膨疹がたくさん出てきて、30分~1時間もすれば消失していきます。

『コリン性蕁麻疹』は、その名のとおり蕁麻疹で、皮膚に境目がはっきりした円形または地図上の膨疹が突然現れてきます。

『コリン性蕁麻疹』は、エクリン汗腺に分布する神経終末から、神経伝達物質であるアセチルコリン(Ach)が分泌されて、それが原因で起こるとされています。

汗アレルギータイプは、汗に含まれる成分が抗原となって、マスと細胞が活性かし、IgEが出てきて、いわゆるⅠ型アレルギーによりヒスタミンが遊離して、膨疹ができ痒くなったり痛くなったりします。

減汗タイプは、汗腺でのアセチルコリン受容体の発現が低下していて、そこに余ったアセチルコリンが直接マスト細胞を刺激してヒスタミンが遊離してきます。

中には、特発性後天性全身性無汗症(AIGA)を含む無汗症・乏汗症の症状として出てくる例もあります。

コリン性蕁麻疹の治療

『コリン性蕁麻疹』は、痒みよりは、ピリピリ・チクチクとした痛みを伴ったりします。

症状としては、30分~1時間以内に消失していくので、放置しても治癒しますが、眼瞼や口唇に血管性浮腫を伴うこともあります。

症状が強い場合は、通常、抗ヒスタミン薬の内服することによって治療したりします。

コリン性蕁麻疹の漢方

『コリン性蕁麻疹』に対する漢方治療についてご紹介します。

『コリン性蕁麻疹』は、ストレスに誘発されて発汗を伴うことから、ストレスに対して加味逍遥散や抑肝散、発汗に対して防已黄耆湯桂枝加黄耆湯等が使われたりします。

『コリン性蕁麻疹』は、お風呂後や運動後など、体を温めた時などに悪化する場合が多いことから、漢方では、風熱型(熱邪が原因によって起こる蕁麻疹)と解釈し、「温熱蕁麻疹(おんねつせいじんましん)」として、基本的に体が温まると悪化するものとして治療したりします。

季節的には、温度が上がり始める梅雨から夏にかけて増えてきます。

これらに対しては、漢方薬では「風熱型」には風熱邪(ふうねつじゃ)を消し飛ばすと処方として「消風散」「銀翹散」などがよく用いられます。

漢方の皮膚炎治療として、一般的に用いられている「十味敗毒湯」は、患部が湿潤型でじゅくじゅくしているときに、たまっている「水(すい)」や熱を発散させて、肌を正常にしていく作用のある処方になっています。

『コリン性蕁麻疹』に対して、表を開く作用のある「越婢加朮湯」「十味敗毒湯」と混合して処方されたりもしています。

漢方は『証』をきちんと判断して用いるべきものであり、疾患名としては、同じ『コリン性蕁麻疹』としても、その人の状態や体質などをきちんと見極めて代謝していかなければなりません。

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