感染力が強いはしか(麻疹)ウイルス | 健康トピックス

はしか(麻疹)は、麻疹ウイルスに感染することによって起こります。

麻疹ウイルスは、パラミクソウイルス科(Paramyxovirus科 Morbillivirus属)に属するウイルスで、空気(飛沫核)感染でも広がり、飛沫や接触感染なども起こるため、感染力が非常に強いウイルスとして知られています。

感染力が強いはしか

よく、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたと仮定した場合、何人の人へ感染させるかという実行再生産数は、インフルエンザが1~2人に対して、はしか(麻疹)は12~14人と言われています。

麻疹ウイルスは、直径100~250μmのエンベロープを有する一本鎖RNAウイルスで、飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むと感染する空気感染だと、マスクでの予防は難しいとされています。

また、ウイルスに感染してもほとんど症状がでない不顕性感染はほとんどなく、感染すると少なくとも95%以上は発症します。

はしか(麻疹)の好発年齢は、生後6カ月までの乳児は、母体からの受動免疫により罹患しにくく、生後6カ月以降の小児になります。

はしかの症状と感染させる期間

はしか(麻疹)は、感染してからの潜伏期間があり、だいたい10~12日の潜伏期ののちに、発熱や咳、鼻水といった上気道感染症状が出てきます。

そして両側の頬粘膜(口の中の頬の裏側)にコブリック斑と呼ばれる直径1mmほどの小さな白い斑点が出てきますが、このコブリック斑が、はしか(麻疹)に特徴的な症状になります。

このコブリック斑は、出てきてから2日目ぐらいまでに消えてしまいますが、一旦熱は下がりますが、半日ぐらいすると再び発熱してきて、今度は39.5℃以上の発熱とともに発疹がでてきて、発熱は3~5日続きます。

発疹は、耳の後ろ、首、額などから出始め、鮮紅色扁平の状態から、皮膚面が隆起し融合して、斑丘疹となり、押すと退色します。

時間の経過とともに、暗赤色となっていき、発疹の出現順に従って退色していきますが、発疹は黒ずんだ色素沈着となってしばらく残ります。

合併症が出なければ、1週間から10日ほどで回復します。

他人に感染させる期間は、コブリック斑の症状が出てくる1日前、発疹が出てくる3~5日ほど前から、発疹がでてきてから4~5日目までの間が感染力があります。

最も感染力が強い時期は、発疹が出てくる前で、コブリック斑がでてきている時期になります。

はしか(麻疹)は、学校保健安全法に基づく第二種学校感染症に指定されていて、はしか(麻疹)で学校を休んでも、欠席扱いにはなりません。

はしかの合併症と大流行

はしか(麻疹)は、合併症を注意する必要があり、合併症は全体の30%にも及び、その約半数が肺炎で、その他、中耳炎や心筋炎、頻度は低いものの脳炎も起こることも知られています。

はしか(麻疹)は、日本では2007年に第龍区し、このときは小児というよりも、10~20代の若者を中心に流行しました。

麻疹は、ワクチン接種した人は、その後も自然に麻疹ウイルスと接触することで、抗体価の低下を防ぐブースター効果がありましたが、しばらく麻疹が流行しなくなると、その接触機会が少なくなり、ブースター効果が得られずにワクチンの効果が薄れてしまう人が増えました。

そのことから、現在では、ワクチンの二回の接種が推奨されています。

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