洗浄・消毒・滅菌の違いとは | 健康トピックス

感染予防や衛生関連で、『洗浄』・『消毒』・『滅菌』という言葉がでてきます。
もちろん、これらの言葉はなんとなく使われているのではなく、きちんと区別されて使われています。

洗浄・消毒・滅菌、一番厳格なのは?

洗浄・消毒・滅菌の中で、どれが一番厳格なのかというと、滅菌になります。

洗浄は、血液や体液などあらゆる異物を除去することになります。
消毒は、微生物を死滅させて、病原体数を減少させることになります。
滅菌は、病原性の有無を問わずに、すべての微生物を死滅させ無菌状態にすることになります。

医療器具の洗浄・消毒・滅菌レベル

病院やクリニックで使われている聴診器や血圧計、介護に使われる松葉杖などは、正常な皮膚に接触しますが、粘膜には接触しません。

ですのでこういったものに関しては、洗浄・清拭あるいは低水準の消毒で十分になります。

体温計やネブライザーになると、粘膜や正常でない皮膚と接することになりますので、洗浄・清拭では不十分で、中水準の消毒が必要になります。

さらに人工呼吸器や麻酔器具になると、高水準の消毒が必要になります。

手術器具や移植埋め込み器具になると、無菌の組織や血管系に挿入されたりするもの、いかなる微生物で汚染されていても高い感染の危険が生じるものは滅菌が必要となるのです。

洗浄

洗浄とは、対象物から有機物や汚染などのあらゆる異物を除去することを言います。

適切な洗浄を行うことによって、その後に行われる消毒や滅菌の効果を確実にすることができるのです。

消毒

消毒とは、対象物に生存している微生物の数を減少させる処理になります。

消毒水準には、低水準消毒、中消毒水準、高水準消毒があります。

低水準消毒では、ベンザルコニウム塩化物やクロルヘキシジングルコン酸塩、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩といった消毒薬が使われ、一般細菌や真菌、一部のウイルスに効果があります。

中水準消毒では、消毒用エタノールやポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒薬が使われ、一般細菌・真菌の他に、ウイルス、結核菌にも効果があります。

高水準消毒では、グルタラール、フラタール、過酢酸などの消毒約があり、一般細菌・真菌・ウイルス・結核菌の他に一部の芽胞にも効果があります。
芽胞にも効果があるのは滅菌になります。

滅菌

滅菌とは、全ての微生物を死滅させる処理方法になります。
オートクレーブを用いた高圧蒸気滅菌、酸化エチレンガス滅菌、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌などの方法があります。

高圧蒸気滅菌は、高熱の蒸気を用いるので、耐熱性・耐水性のものに適しています。

酸化エチレンガス滅菌では、熱や湿度に弱いものの滅菌に適しています。
過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌は、コストが高いものの低温・低湿度・短時間で滅菌が可能です。

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