良かれが逆効果のうつ患者対応 | 健康トピックス

人間にはいろいろな考え方の人がいますし、実際にその立場にならないと、本当にその人の気持ちはわからないものです。

人それぞれ受け止め方が違うので、こちら側が良かれと思ってやったことも、それはこちら側の勝手な思い込みや視点であって、相手からすればかえって迷惑といった場合もあります。

うつの人にやってしまいがちな良かれと思い込み行動

会社でもうつ気味の人がいると、上司などが休養中の患者に電話やメールをしたりすることがあります。

上司として様子をうかがっておかないとという気持ちはわかりますが、ケーズバイケースで、休息と活動の望ましい割合は異なるので、休養中なのであればなるべく連絡は控えたほうが良いでしょう。

会社との連絡ではなく、主治医との連絡を図ることが大切です。

うつの急性期(極期)では特に注意が必要で、つらさをわからない人は、「動けば治るんじゃないか」とか「怠け病じゃないか」と無責任な言葉を吐いたりします。

こっちが忙しいのに悠長に休みをとってと思いたくなる気持ちではなく、叱咤激励のつもりで言ったとしても、こうした叱咤激励は慎むべきです。

また、快方を願って積極的に気持ちをわかってあげようとする人もいますが、これも逆効果になったりします。

そっと横に寄り添うような対応が望ましいのです。

心の病の治療は薬だけではない

心の病の場合は、薬物療法もありますが、精神療法も重要になってきます。

薬物療法としては、抗うつ薬抗不安薬、抗精神病薬、睡眠薬、気分安定薬などが使われますし、うつ病のみならず、不安症や強迫症の人などにも選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬が処方されます、

こうした薬物療法に対して、患者との対話を通じて、感情や行動を変化させて治療していく精神療法があります。

現在、主に行われている精神療法の代表的なものとしては、森田療法認知行動療法があります。

日本生まれの森田療法

『森田療法』は、その名から推測できるように、日本で生まれた療法で、東京慈恵会医科大学精神医学講座の初代教授であった森田正馬氏によって行われた神経症に対する精神療法になります。

森田正馬氏は、神経症の背後に共通した『神経質性格』という共通した性格傾向があることを見出しました。

神経質というと、細かくて弱々しいイメージがありますが、内向的で神経質、受け身といった面の他に、几帳面で完璧主義、負けず嫌いといった強迫性の面も併せ持っています。

こうした性格は多少なりとも誰でも持ち合わせているものですが、こうした性格を基に、心理的メカニズムが働いて苦痛を伴ったり、日常生活や社会生活に支障がでてくるのであれば、森田療法の適用になったりします。

森田療法

森田療法を受けるには、外来、入院のほかに生活の発見回やメンタルヘルスなどがあります。

外来による森田療法は、一対一の対話で行われ、そこで自ら置かれている状況を語っていきます。

通常は2週間に1回程度の間隔で通院となるケースが多く、セッションごとにマニュアルがあるわけではなく、患者個々のケースによってさまざまになってきます。

ポイントとしては、感情の自覚と受容を促し、生の欲望を発見し賦活していくとともに、悪循環を明確にして建設的な行動が始動され、行動や生活のパターンを見直していくことになります。

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