高い所にあるものを取ろうとしたときや、ビルの上の方を見上げたときなど、何気なく上を向いたときに、首が痛くなることはないでしょうか。
人間は上を向いたとき、首の骨は自然と後ろに反りかえります。そして その首の骨、頸椎の後ろには神経が通っていますが、首が反りかえると時にこの神経を刺激したり圧迫したりしてしまうと痛みを感じます。
それでは、どういった場合に上を向くと首が痛くなってしまうのでしょうか。
気をつけたいストレートネック
長い間スマホの画面とにらめっこしていたり、ディスクワークをしていると、首に継続的に負担がかかってしまいます。
特に猫背の人は、下を向いたまま長時間スマホやパソコンの画面とにらめっこすることになりますが、そうなると、重い頭を支えている首の骨にも負担がかかってしまいます。
通常は少し湾曲している首の骨が、真っ直ぐになってしまい、これをストレートネックといいます。
通常では、7つある首の骨は、上端と下端ではその前湾確度が30~40度あるとされていますが、常に下を向いている姿勢をとり続けることで、この前湾がなくなってしまい、30度以下になってしまった場合がストレートネックです。
ストレートネックは、X線やMRIを撮るとすぐにわかりますが、これといった治療法があるわけではなく、まずは日常の姿勢を正し、マッサージをしたり筋弛緩薬を使ったり、首を牽引したり、電気をかけて首回りの筋肉をほぐして血行をよくしたりします。
またバスタオルを丸めて首枕して、顏を左右に10~20回振ってからそのまま寝るてストレッチすると痛みが緩和されます。
ストレートネックで試してみたいツボ
ストレートネックの場合、首の後ろにある「天柱(てんちゅう)」というツボを刺激することで効果があります。
このツボは、コリからくる緊張性頭痛や目の疲労にもおすすめです。首の中央の窪みの外側にある筋肉の中でもっとも上の部分にあり、このツボに両手の親指を当て、じっくり3秒指圧して、3秒かけてゆっくり離すことを繰り返します。
可能性として考える頸椎椎間板ヘルニア
上を向くと首が痛い場合は、頸椎椎間板ヘルニアの可能性もあります。
頸椎とは首にある7つの骨のことですが、頸椎の骨と骨の間には、クッションとしての役割を果たす頸椎椎間板があり、頸椎の後ろには脊柱管という管が通っていて、その中をとても太い神経である脊髄が通っています。
年齢や運動による負荷が原因で、頸椎の骨と骨の間でクッションの役目をしている椎間板の機能が壊れてしまうと、中からゼラチン状の随核が飛び出してしまい、脊柱管の中を通っている神経を圧迫してしまい、これがしびれや痛みとなって現れてきます。ひどい場合ですと、咳やくしゃみを下だけでも痛みが増すこともあります。