本題にうつる前に、右利き、左利き、両利きって英語ではどういうのでしょうか。
「右利きの」は right-handed、「左利きの」は left-handed になります。
「右利きの人」は right-hander、「左利きの人」は left-hander になります。
それじゃ、「両利き」の人はどうなるのかというと、ambidextrous という単語があります。
接頭語の ambi- は両側のを意味し、dextrousは、器用なという意味の単語です。
右利きと左利きの割合
高橋正憲著「スコープ利き手に関する一考察」(『総合リハビリテーション 38巻8号』p795-800 医学書院 2010)によると、「最近では左利きの矯正を強要しなくなり、自然な利き手の割合がわかるようになったが、その結果、右利きは約88~90%、左利きは約10-12%と言われている。」という記載があります。
日本は集団主義、同調圧力といった国民性もあり、右利きの割合が多いイメージですが、意外にも左利きの割合が多いとも言われています。
利き手っていつごろ決まるの?
利き手、つまり右利きになるか、左利きになるか、両利きになるかは、遺伝的要因も大きく影響しています。
「McManus, I. C. & Bryden, M. P. 1992」の統計結果を引用すると、両親が共に右利きの場合で子どもが左利きになる確率は9.5%、右利きと左利きの親の組み合わせで子供が左利きになる確率は19.5%、両親がともに左利きの場合で子供が左利きになる確率は26.1%になっています。
利き手を決定づける遺伝子は見つかっていませんが、左利きの人だけにみらえる遺伝子グループがあるという研究報告も出されています。
さらには脳の使い方の特性、身体の機能の仕方なども影響しています。
つまり、右利きか左利きかは選べることではなく、利き手が決まってくるのは一般的には2歳~4歳の時期と言われていて、大体6歳までには、利き手が確定すると言われています。
両利きとクロスドミナンス

両利きは ambidextrous(アンビデクトロウス)ですが、cross-dominance(クロスドミナンス)という言葉もあります。
これは、箸は左手で持つけど、文字を書くのは右手といったように、用途によって使い勝手がいい手を使うことを言います。
両利きの場合は、箸は右手でも左手でも使え、文字を書くときも右手でも左手でも書けます。
クロスドミナンスは、幼児期前半までは左利きだったのを、親が右利きにさせた場合にも、後天性クロスドミナンスになります。
さらには親に矯正されなくても、世の中のもののほとんどが右利きを基準に作られているので、それに合わせて自然と、たとえば箸を持つのは左手だけどハサミをもつのは右手というように自然にクロスドミナンスになっていくケースもあります。
両利きの有名人
両利きの有名人もいろいろいますが、変わっているのはシンガーソングライターのGACKTさんで、もともとは右利きだったのを「右手でできることが左手でできないなんてことはない」ということで両利きになったそうです。
嵐の二宮和也さんや俳優の小栗旬さんは、元は左利きだったそうです。
こうしてみると、意外と両利きの人も多いのかもしれません。