微妙に違う記憶のための2つの反復の法則 | 賢脳トピックス

ものを覚えるとき、記憶には反復がとても重要になってきますが、この反復において、微妙にちがう2つの法則があります。

それが、次の2つです。

*反復学習は一定期間をおけ

*反復学習は一定期間以上あけるな

反復学習は一定期間をおけ

例えば、diversity(多様性)という英単語を覚えるとします。

最近では、和製英語にもなりつつあり、ダイバシティ―という言葉を日常的に使っている人もいるかと思いますが、とりあえず知らなかったと仮定してみましょう。

diversity(多様性)
Existing legislation does not take diversity of races into account.
[現行の法律は、人種の多様性を考慮していません]

単語とともにこうした例文を頭にいれて覚えるとします。

こうして覚えると、その記憶はいったん側頭葉に保存されます。
そして一定期間は記憶されたままになります。

そこで記憶を確かにするために、さらにすぐにこれを復習したとします。
すると、記憶を司る海馬は、「ああ、それ知ってるよ!」となり前頭葉に問い合わせをしないのです。

これでは、せっかくの反復も無駄になってしまいます。

ところが一定期間置けば、海馬はdiversity(多様性)を忘れかけているので、初めて学習したときのように

「知らない情報が入ってきたんだけど、どうすr?」と前頭葉に問い合わせ、前頭葉は長期保存場所である側頭葉を調べるようになります。

そこで、海馬⇒前頭葉⇒側頭葉という刺激が伝わることで、側頭葉の記憶が強化されていくのです。

反復学習は一定期間以上あけるな

それじゃ、学習したら、テストの直前に見直せば、反復も1回で済むし効率的だよねと考えるのは軽率です。

側頭葉は海馬に比べたら忘れにくいのですが、コンピューターのメモリのように一度インプットしたら永久に保存なんていうことはできません。

たった一度しか学習していなければ、なおさら忘れてしまいやすくなります。

せっかく一度学習しても、二度とその情報をとりださなかったら、側頭葉はそれを不要なものとして判断し、保存場所から除去してしまうのです。

だから期間を開けすぎてしまうと、はじめて学習するときと同じ労力が必要になってしまうのです。

反復学習のタイミングがカギ

反復学習のタイミングは、人によっても、覚える内容によっても、コンディションによっても、覚えるものの量などの環境によっても違ってきますので、一概に翌日とか、3日目とかは言えません。

しかし、何度か試行錯誤しているうちに、この程度の内容だったら、1回目にこのぐらいのときに、2回目の復習はこのぐらいのときに行うとちょうど忘れかけているころだなというのがわかってくるものです。

実際に、翌日、3日後、1週間後などに確認をしてみて、感覚をつかみ、自分のリズムを見つけていくことが大切なのかもしれません。

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