人間の脳は、左側を重視する傾向があると言われています。
よく相手に印象づけたいものは左側にと言われますし、合コンなどで相手の気をひきたいのならば、相手の左側のほうが成功率が高いなどと言われたりします。
左右逆にしただけなのに
顔の半分が笑顔で、もう半分が沈鬱の表情になっている2つの絵を見せるという有名な実験があります。
2つの絵は、同じ画像を左右反転しただけのものになっています。
つまり、次のような絵になります。
❶ 左半分がニコやかな表情で、右半分が悲しい表情の絵
❷ 右半分がニコやかな表情で、左半分が悲しい表情の絵
そして、この2つの絵で、パッと浮かんだ印象を答えてもらい、どちらのほうがより微笑んで見えるかを答えてもらっています。
結果は、より多くの人が、❶(左半分がニコやかな表情で、右半分が悲しい表情の絵)のほうが、より微笑んでみえると回答しています。
この結果は、地域や民族、時代をこえても一定した人類共通の性質と言われています。
つまり、私たちは、顔の左半分を特に重視しているという結果になっています。
極論を言うと、左半分さえ笑っていれば、それだけでなんとなく笑っているように見えるのです。
シュードネグレクト
「さあ、みなさん! 魚の絵を描いてください。」
こういわれると、たいていの人は、頭が左、尾びれが右を向いた魚を描きます。
これも、人間の脳が左側重視というクセがあるからと言われています。
このように、視野の半分を重要視して、もう一方を無視しがちな人間の認知傾向は、『シュードネグレクト』と呼ばれています。
シュードネグレクトを考えた身だしなみ
人間関係において、相手からどう見られるかということを、シェードネグレクトも考えていくと、相手にとっての左側視野を考える必要があります。
ということは、つまり自分にとっては右側が、相手からより注目されているということになります。
どちらに気合と入れて化粧すればいいかとなると、右半身ということになります。
ところが鏡をみて化粧をすると、自分の左半身が左側になっているので、左阪神に注意が向いてしまうのです。
右脳・左脳では説明できないシュードネグレクト
よく、左側にあるもののほうが印象が強くなるのは、左側にあるものは、右脳が担当していて、右脳はイメージや映像を司っているからだという考え方があります。
だから、印象づけたいものは、なるべく左側にもってくるというものです。
印象づけたいものを左側にという考え方は間違ってはいませんが、MRIを使った実験では、作用にも左脳にも左視野を重視する傾向があることが証明されています。
左側を重視するという人間の脳のクセは、単純に右脳と左脳の問題だけでは説明つかないのかもしれません。