英語学習における直読と音読 | 賢脳トピックス

英語が苦手な人は、英文をきれいな日本語に訳そうと英文を後ろから読んでしまう傾向がある場合があります。
英語は語彙がすべてわかっていて、文法・構文もきちんと理解していれば、理屈上は意味が理解できるはずですが、多くの日本人が英語が苦手だというのは、英語を理屈で考えてしまうからです。

英文法は大事だけれど、それで全ては説明できない

確かに、理論上文章を分析し分解し文法的に解釈していけば、ほとんどは説明いきますが、英語は学問ではなく言語です。すべてがすべてきちんとした文法で解釈できるものではありませんし、英文法の書籍でも同じ文章に対し違った見解が示されたりしているほどです。

もちろん、受験やTOEICを受けるにあたって英文法をしっかりと理解し、ある程度運用する力をつけることは重要なことです。

しかし、そもそも英語の構造をすべて矛盾なく説明できる文法など存在しないと思ったほうが良いかもしれません。少なくとも受験やTOEIC試験を受けることが目的なれば細かい文法理論に首をつっこんでる暇はなく、そんな時間があれば、英単語の1つや2つでも覚えるべきなのです。

日本人は英語が苦手な理由の一つは直読

全ての語彙の意味がわかっていて、文法・構文がきちんと頭に入っていれば、理屈上はその英文を訳せて意味をくみ取ることができることになりますが、日本人の母国語である日本語と英語とでは語順が違います。
そのため、英語を日本語にいったん訳してから意味をとろうとすると、英文を後ろから読んでしまったりします。
直読というのは、英文をそのまま前のほうからどんどん読んでいく方法で、後ろから訳さないことになります。

例えば、次のような文章があります。
Automobiles are trade items on which the U.S. negotiated an agreement with European countries that included a market-sharing scheme.
そんな難しい単語はありません。

これを、日本語できれいに訳そうとすると、
「車は、マーケット市場占有率の計画案を含む、ヨーロッパの国々と同意した協定をアメリカが取り決めたところの、貿易品目です。」
となり、全体の主語である Automobilesを除き、英文を後ろから読んでいくような形になってしまいます。

これを、会話スピードである音読で、意味をとろうとするとパニックになってしまうのです。
だって、音読は英文の頭から読まれ、読まれた後は消えてしまうからで、後から前にもどることはできないからです。

多くの日本人が、英文読解ならともかく、リスニングが苦手だというのは、英語の発音に慣れていないという理由もありますが、英文の意味を頭からとっていくという直読ができていないというのも大きな理由になっています。

Automobiles are trade items  (車は貿易品目です) / on which (それに関して) / the U.S. negotiated (アメリカが取り決めた) / an agreement (協定を) / with European countries (ヨーロッパの国々と) / that included (それは含んでいる) / a market-sharing scheme (市場占有率の割り当て案を)

のようにきっちりと訳すというよりも、音読されるスピードで頭から英文の意味をとっていく訓練が必要なのです。

よく試験問題で英文を正しく理解しているかということで、「次の英文を訳しなさい」という問題がでます。
こういう問題がでると、きれいな日本語に仕上げようとするため、どうしても英文を後ろから戻って読んでしまったりします。
もちろん、こういった問題ではきちんと美しい訳が書けるのも重要ですが、英文を頭からそのまま音読スピードで理解していくということも、リスニングをするという意味でも、英語長文を速く読んで意味を理解するという意味でも大切になってきます。

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