よく、『門前の小僧習わぬ経を読む』という言葉があります。
門前の小僧は、毎日お経を聞いているうちに、特段覚える気がなくても、自然と覚えてしまっているというものです。
毎日毎日、繰り返し聞かされていれば、覚えようとしてなくても覚えてしまうというものです。
ならば、『音読』などと言わないで、覚えたい事をテープに吹き込んで、ただ聞き流していればいいということになりますが、どうなのでしょうか。
記憶に関連したインプットとアウトプット
受験でも資格試験でもそうですが、テストのとき覚えたことを回答用紙に書き込んで提出します。
受験や資格試験のためにいろいろな事項を覚えることがインプットで、テストのときそれを思い出して記載するのがアウトプットになります。
英語の学習において、4つの能力ということがよく言われます。
リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングです。
そして、この4つの能力は、情報を入れるインプット系と情報を出すアウトプット系の能力の2つに分けることができます。
文字を目で追い読むリーディングと、音を耳で聞くリスニングがインプット系、文字として書き出すライティングと、口に出して話すスピーキングがアウトプット系になります。
いろいろな知識は、インプットによる蓄積があるからこそアウトプットできるもので、記憶ということを考えると、まずはインプット系が重要になります。
インプット系で情報を獲得
英語の学習においても、知らない単語を書いたり話したりすることはできません。
まずは、目から文字として、耳から音としてインプットしなければなりません。

単語集を眺めているだけでも覚えられるという人もいますが、これでは目から文字として情報を入れているだけです。
一方、テープを聞いているほうが覚えられるという人もいますが、テープを聞いているだけであれば、耳から音として情報を入れているだけです。
効率よく学習するには、目から文字を入れ、それと同時に耳から音を入れたほうが良いにきまっています。
聞くだけで覚えられるのか
『門前の小僧習わぬ経を読む』という言葉もあるとおり、聞いて覚えられるかと言えば、覚えられると思います。
覚えるとき聞いて覚えるということに関しては、否定するものではありませんが、それと同時に目で文字を追って覚えたほうがはるかに効率いいのです。
例えば、カラオケなどで自分、何回も聞いたことがあるお気に入りの曲や大好きな曲は、いきなり歌えと言われても、字幕を見なくてもだいたい歌えたりするものです。
でも細かいところがあいまいになったりします。「・・・交差点で・・・」だったのか「・・・交差点に・・・」だったのかといった具合に、微妙に記憶があいまいだったりします。
しかし、18番と言われるように実際にしょっちゅう歌っている曲は、自信をもって歌うことができます。もちろん字幕なんかみなくても、一言一句しっかりと歌えます。
この差は、聞いたことしかない曲は、今までただ聞くだけで受け身的だったので、聞き流しになっていた部分もあるからです。
これに対して、18番でしょっちゅう歌っていた曲は、時分で実際に声に出して歌っているので、覚えるときに受動的になっていないのです。
受動的でただ聞き流しているよりも、音読をしてみたほうが覚えやすいのです。
覚えるのに書く必要はないのか
単語を覚えるときに、何回も何回も同じ単語を紙に書いて覚える人がいます。
全く効果がないとは言えませんが、書くという行為は時間がかかります。
多くの科目を勉強しなくてはいけない受験勉強や、仕事をしながらの資格試験の勉強では、限られた時間の中で成果を出さなくてはなりません。
英単語であったとしても、だいたいきちんと発音できれば、スペルはだいたい想像がつくものです。
発音から想像して書いて、どうしても間違えてしまうものを重点的にチェックすればいいのです。