受験勉強や資格試験を受けるとき、ああもう少し記憶力が良かったらと思ったことがある人も多いと思います。
記憶とはいったい何かというと、ものごとをわすれずに覚えていることになります。
記憶には3つの相がある
一口に『記憶』といっても、その脳の活動には、3つの相があります。
何かを記憶しようとしたとき、必ず3つの相の活動があります。
その3つの相とは、『記銘(registration)』、『保持(retention)』、『想起(recall)』になります。
『記銘(registration)』とは、新しい情報に気づいて、それを長期記憶へ移行させるために、意図的に努力、つまり覚えようとしますが、このことが該当します。
『保持(retention)』は、こうして記銘した情報を長期記憶にしようと留保する働きになります。
『想起(recall)』は、そうして保持した情報を必要な時に想起することになります。
よく、喉元まで出かかっているんだけど・・・という時があります。
例えば、ある女優さんの顔をみて、あの女優さん、名前は知っているんだけど、最初の頭文字ぐらいはわかっているんだけど、今出てこないんだよねという場合は、正確に想起(思い出せない)ということになります。
後から言われれば、あそうだったと名前がわかるのであれば、確かにそこにその女優の名前の記憶は存在しているのですが、ヒントなしでは完全にそれを想起することができなくなっていたのです。
記憶の3つの相は別々
記憶の3つの相について、『記銘(registration)』、『保持(retention)』、『想起(recall)』は一連のものであって、わざわざ3つに分けているんじゃないのと思うかもしれません。
それでは、次の単語を覚えてください。
たぬき あそび 場所 スパイ 灯り ボールペン 本 いっぱい 流し 気 水 近い やさしい 綿 自転車 砂
全部で16個の単語がありますが、とりあえず、二回反復して、頭に入れてください。
この段階が『記銘(registration)』になります。
次にリストを見ないで、できる限り多くの単語を書き出してみてください。
そしたら、今度はもう一度、リストを見てください。
全単語を認知できたとしたら、明らかにその単語を記憶していることになりますが、全部正確に思い出せない(想起できない)というケースが多いと思います。
試験に必要な記憶力
よく試験のときに、たしか勉強したんだけど、思い出せないということがあります。
これは、一旦は覚えたのであるから記銘はされているけども、想起できないという状態になっています。
想起できるようにするためには、記銘した情報を保持し、想起できるように反復学習する必要があるのです。
一旦憶えて、憶えた気になって、試験のときに思い出せないということはよくあることです。
憶えたと思っても、しっかりと適当に反復学習をして、きちんと想起できるかどうかを確認しておくことが大切なのです。