記憶術では、いかに印象に残るイメージを瞬時につくれるかがカギになってきます。
イメージをよりリアルに描けるようにするためには、いろいろな練習法があります。
例えば、リンゴで練習するとして、そのリンゴの状態をいろいろ変えてみるのです。
リンゴの大きさを変えて、100倍の大きさまでし、それを元にもどして、それでもリアルにきちんとイメージできるように練習する方法、リンゴの位置をいろいろ動かすイメージを練習することで、リンゴが置かれた空間的イメージの力を鍛えていく方法、リンゴを転がしてみて、感触なども含めたリアルなイメージをもっていくことなどの方法があります。
鏡をイメージしてみる
例えばリンゴを連想したとして、その連想の中でリンゴの隣に鏡を置いてみます。
そして、連想したリンゴに加え、鏡の中のリンゴも両方イメージするのです。
イメージしたら、リンゴを動かしてみます。もちろんそれに応じて鏡の中のリンゴも動きます。
鏡の中のリンゴがどう動いていくかをじっくりイメージの中で観察します。
いろいろとリンゴを動かしたり、転がしたりしてみると良いでしょう。
このような練習を繰り返すことで、より複雑な心の動きが引き出されるようになります。
鏡の面を境にして、対称に映像をつくりだし、両者の映像を同時に動かすことで、心のより深い領域の機能が呼び出されていきます。
色をしっかりとイメージ
イメージ力がある人、想像力がある人は、夢をカラーで見るといいます。
イメージの鮮明化ということからいうと、色の鮮明さというのは大きな要素です。
例えばリンゴのイメージをするとき、色といっても単純に赤とか黄といった感じでイメージするのではなく、微妙な色調やコントラストなど、細かい部分ごとの小さな変化もしっかりイメージするように練習します。
自分が好きな色をうまく使って、鮮やかにイメージすることが大切です。
また、わざとリンゴに違う色、例えば、青とかピンクの色を塗って、創造したリンゴをイメージする訓練をしても面白いでしょう。
実際にないものを、創造して作り出し、それをイメージする力もついてきます。
光を当ててみる
鏡を置いてみたり、色をつけてみたりしてきましたが、今度は光を当ててみます。
イメージしたリンゴに光を当てるのです。
すると微妙な影ができるはずですが、その陰を含めて、すごいと感動するような、またキレイだと思うようなイメージを創り出します。
単に光が当たっているというよりも、光を工夫して映像に変化をつけて、より印象的にイメージを強化していきます。