長期記憶に残りやすいストーリーでのエピソード記憶 | 賢脳トピックス

記憶は、記憶時間の長さによって分類すると、短期記憶(short-term memory)長期記憶(long-term memory)があります。


短期記憶は、一時的に覚えておく記憶で、たとえばメモを渡され、そのメモを見て頭にいれ、その場でメモを見ないで電話をかけるような記憶です。

記憶の種類

短期記憶は、電話がつながってしまえば、もうその記憶は不要なので、自然と忘れていってしまいます。

この短期記憶には限界があって、一度聞いたり見たりして覚えることができるのは、5~9個で平均7個と言われていて、マジカルセブンと言われたりもします。

長期記憶は、『宣言記憶』『手続き記憶』に分けることができ、さらに『宣言記憶』『意味記憶』『エピソード記憶』に分けることができます。

『手続き記憶』は、自転車の乗り方やダンスの踊り方など体で覚えた記憶です。

『意味記憶』は、家族や友達の名前や誕生日といった個人的な情報や、言葉の意味などの知識の記憶です。

たとえば、スウェーデンの首都はストックホルム、フィンランドの首都はヘルシンキといったような、受験や資格試験で覚えるような内容のほとんどは『意味記憶』になります。

言い方を変えれば、『意味記憶』は勉強や仕事に直結するような記憶とも言えます。

『エピソード記憶』は、昨日のランチに何を食べたかとかが該当します。

覚えやすいのはエピソード記憶

意味記憶とエピソード記憶では、どちらが覚えやすく記憶に残るかということになりますが。記憶に残りやすいのはエピソード記憶です。

エピソード記憶って、一昨日とかに食べた夕食のメニューとかもそうなんでしょ?

昨日ならいざしらず、一昨日になるとちょっと思い出すの大変かもと思う人もいるかもしれません。

一方、10年以上前にいった旅行での出来事を事細かく覚えていたりするものです。

あの時は、たしか目の前に大きな飲食店があって、これとこれ注文したよねというようにいとも簡単に思い出せたりします。

もし、覚えなければいけないものがあって、ストーリー性が作れるなら、それで覚えると忘れにくくなるでしょう。

例えば歴史を覚える際などは、エピソード記憶やストーリーによって全体の流れをつかみながら覚えていくといいかもしれません。

エピソード記憶が強い証拠

よく夫婦喧嘩をした時に、妻が過去の似たようなできごとを次々と思いだして、今現在、実際に喧嘩の元になっている事項・問題に関して直接関係ないのに、過去の似たような事例までことこまかに持ち出してきて、「あのときもそうだったよね!」みたいにからめて責めたりするのも、エピソード記憶は強く、何年も前のことなのに鮮明に思い出したりします。

夫婦間だけにとどまらず、職場でも上司が部下をしかる時も、過去のミスまで引き合いに出して、あの時は・・・みたいにネチネチ言われる人もいるかもしれません。

よくもまあ、こんなに細かいところまで覚えていられるもんだと思うかもしれません。

それだけエピソード記憶は強力だということなのです。

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