タバコほど、健康によくないし、百害あって一利なしというものはありません。
健康に良くないと言いながらも、注意表示をして体の健康に悪いものの販売を認めている国もどうかしています。
海外では早くより禁煙に向けた動きが加速していましたが、日本でも、禁煙・分煙化が進み、最近では強制的に副流煙を吸わされるといったシチュエーションが非常に少なくなってきました。非常に良いことだと思います。
汚い喫煙者の歯のヤニ
タバコを吸っていると、歯にヤニがつきやすくなります。
商談などで歯が見えたとき、歯のヤニが口元にくすんだ印象を相手に与えてしまい、それだけでマイナスのイメージを与えてしまうことになります。
もちろん、歯の汚れ具合は、タバコを吸っている期間、タバコを吸う頻度によっても違ってきますが、ひどいケースになると、歯の裏側まで茶色くなってしまっています。
歯の汚れということに関して言えば、お茶やコーヒーによっても着色しますし、食べ物の食べかすなどによっても汚れたりします。
お茶やコーヒーによる着色は、ステインによるものですが、喫煙者はそれにタバコのヤニの汚れが加わります。
厄介なことにタバコのヤニは、一度歯についてしまうと、家で普通に歯磨きしただけでは落ちません。
タバコを吸うと、歯にヤニが付着して、変色し、エネメル質に入り込んでしまう色素もあることから、歯を磨いたぐらいではなかなか落ちません。
歯を蝕むタバコ
タバコには、ニコチン、タール、一酸化炭素の三大有害物質を筆頭に、約200種類もの有害物質が含まれていると言われています。
ニコチンは、強力な血管収縮作用があるので、歯茎の血行が悪くなり、炎症を起こしても出血が隠されるために歯周病が気づかないうちに進んでいってしまうおそれもあります。
タールはいわずとしれた発がん物質です。
一酸化炭素は、ニコチンとともに体の免疫力を低下させます。
喫煙していると、歯肉のメラニン色素沈着の頻度が増えてきます。歯の着色とともに、口元がくすんで見える原因にもなります。
タバコと歯周病
タバコは歯周病とも深い関係があります。
喫煙していると、歯肉辺縁部の繊維性肥厚が起こります。つまり、歯肉が部分的に異常増殖して分厚くなります。
そして歯周病による歯周ポケットが深くなったり、悪化したりするのを喫煙が助長します。
歯茎の中には毛細血管がたくさん通っていて、病原菌と戦う免疫細胞の白血球が運ばれていて、歯周病の発生を抑えてくれています。
しかし、喫煙によって歯茎の血流が悪くなると、歯茎の毛細血管を通る白血球の数も減少するために、免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなってしまいます。
見た目のタバコのヤニを失くすというだけでなく、歯周病予防という観点からも、タバコは歯の美容と健康にとって良くない存在なのです。