甘いものは別腹ということで、食事をした後でもスイーツをたくさん注文して食べたりしている人をみかけます。
しかし、ダイエットということを考えると、甘いものの摂りすぎはカロリー超過になりやすく、けして好ましいことではありません。
なぜ人は甘いものを欲するのか
ダイエットしていて、甘いものは控えなくちゃと思っていたとしても、ついついて甘いものに手がでてしまうという人は多いと思います。
甘いものを見ただけで目が欲してしまい、それほどお腹がすいているわけでもないのについついて手が伸びてしまったりします。
人間は、いろいろな食べ物から糖分を摂って、それをエネルギーに変えています。
低血糖状態が続くと、体温が下がり、元気がなくなってきて不活発になってしまいます。
幸せホルモンのセロトニンと甘いもの
甘いものを食べるとやる気がでたり、ストレスを忘れさせてくれるのはなぜでしょう?
ついつい甘いものに依存してしまっている現代人が増えていますが、実はそれには、幸せホルモンとよばれている「セロトニン」が深く関係しているのです。
セロトニンは、気分を安定させるのに重要な神経伝達物質で、落ち込んだ心を励ましたり、感情の爆発を抑えながら心を穏やかにもしてくれる感情物質であることから「幸せホルモン」ともよばれています。
実際、セロトニンが不足すると、摂食障害や暴力行動、うつ病の原因にもなるといわれています。
セロトニンは、アミノ酸のトリプトファンを原料に合成されますが、食事から摂取したトリプトファンを脳に運ぶのにブドウ糖が必要になるのです。
肉や魚を食べた後に甘いデザートを食べることによって、セロトニンの分泌が促進され、幸福感や満足度が高まるのです。
インスリンと甘いもの
食事で糖質を摂ると血糖値が上がりますが、すると上がった血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。
このインスリンは血糖値を下げると同時に、体内でタンパク質をつくる働きもあり、そのことで体内でアミノ酸が使われて減少してきます。
するとトリプトファンの比率が高くなってくるために、そこで甘いものを摂取するとセロトニンが一時的に増加して満足感を感じることができるのです。
スイーツの魅力とは
ケーキやアイスクリーム、チョコやクッキーといったスイーツは、精製された砂糖が原料として使われています。
そしてこの精製された砂糖は、食べてから10~15分で血糖が上がってきて元気が出てきて体温が上昇し、満足感が得られます。
一方、炭水化物であるご飯やパン、蕎麦やうどんといった穀類や麺類は、消化吸収に手間がかかるので、食べてから血糖値が上がって満足感が得られるまでに時間がかかってしまいます。
つまり、疲れて元気がないときの、手っ取り早い解消法の一つが、甘いものをたくさん摂ることになるのです。
ストレスがあるときのスイーツ
ストレスがあるとき、甘いものをついつい口にしてしまうといった経験はあると思います。
ストレスがあると、幸せホルモンであるセロトニンを増やしたいところです。
食事のあとで、トリプトファン比率が高くなっているところに、甘いものを摂るとセロトニンが分泌されて幸福感が得られることから、ついつい食後の甘いものは別腹と言わんばかりに、甘いものに手が伸びてしまうのです。
本来であれば、ストレス過多であれば、甘いものではなくトリプトファンを多く含むものを食べることでセロトニンの分泌を増やすことがオススメなのです。
トリプトファンは、肉類、赤身魚、バナナ、豆乳、ひまわりの種などに多く含まれています。
甘いものを控えるためには、ストレスのコントロールが効果的であるとも言えます。