人間は歳をとると筋力が衰え、髪も薄くなりといったように老化現象が出てきます。
歳とともに歯を失っていってしまうのも、こうした老化現象のように考えがちですが、歯を失ってしまう一番の原因は歯周病なのです。
歯を失う原因
歯を失う原因の第一位は歯周病、そして第二位は虫歯です。
歯周病と虫歯で、歯を失う原因のおよそ4分の3を占めています。
人間の場合、通常は乳歯から永久歯になった時点で、上顎に14本、下顎に14本、智歯(親知らず)を除くと合計28本の歯を持っています。
ところが、65~70歳にけkて20本以上の歯を持っている人は大きく減ってしまい、入れ歯や義歯になっていき、残存歯数は年齢とともに減っていきます。
日本人の約80%は歯周病
日本人の約80%が歯周病だというと、ショックを受ける人もいるかもしれません。
この80%という数字は、歯石の沈着があったり、歯周ボケっとが少し大きかったり、軽い刺激で出血するといったなんらかの歯周病の兆候をもった人も含めた割合になっています。
なんだそうだったのかと安心する人もいると思いますが、なんと45~49歳の年齢でも、この歯周病の兆候がある人も含めた歯周病の人は、87%と非常に高くなっているのです。
歯ぐきに治療の必要ななんらかの症状がみられる歯周病患者数は、日本で約9400万人いると推定されています。
しかし、実際に現在歯医者さんで治療を受けている患者数は260万人となっています。
これは、歯周病にかかっているのに、自覚していないか、気づいていても治療していない状態の人が多いということになります。
日本の8020(ハチマルニイマル)運動
日本では、1992年から予防歯科の考え方を広く国民に浸透させるべく、8020運動が行われています。
8020運動は、80歳になっても、自分の歯を20本以上保とうというものです。
その結果、現在では、自分の歯を20本以上持っている人の割合が高くなってきています。
美容にも影響するたかが歯、されど歯
歯がなくても笑うときに歯を見せなければわからないんじゃないか、口を閉じていれば関係ないと思うかもしれません。
しかし、歯がないといろいろと美容面でも影響が出てきます。
歯がないとうまく噛めなくなってきてしまったり、食べられる食品が限られてきてしまうなどの弊害が出てくることは容易に想像がつくと思います。
しかし、それだけではありません。
人間は話すときにも歯を使っています。特にサ行やタ行は、前歯を舌に当てて発音しています。また奥歯がなくなると、ハ行やラ行の発音がしにくくなります。
歯並びに異常があるだけでも、「f」や「v」の音が発音しづらくなってしまうのです。
さらに歯並びが悪かったり、歯周病や虫歯によって左右の歯の使い方がアンバランスになってくると、顎関節症などのトラブルにもつながり、顔の形や表情にも影響をしてしまうのです。