歯周病は、糖尿病・心疾患・循環器疾患といった生活習慣病、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、リウマチ、さらには早期低体重児出産など、様々な病気のリスクを上昇させることが、 疫学研究で明らかにされてきています。
日本人の死亡原因の1位となっているガンのリスクにも、歯周病の悪影響が関係しているという論文も医学誌の Lancet に掲載されています。
歯の美容は健康に直結する
歯を白くする歯の美容のためには、歯磨きが有効です。
歯を磨くことにより、悪玉菌が潜むプラークが取り除かれます。
プラークは虫歯や歯周病の原因にもなる悪玉菌の温床ですので、歯を白くするための歯磨きは、健康にも直結してくるのです。
歯を磨くことの重要性
歯磨き関連のものとしては、歯ブラシの他に、糸ようじや歯間ブラシなどの補助器具も販売されています。
一方、洗口液やうがい薬なども販売されていて、それらには抗菌成分が配合されています。
洗口液やうがい薬の中に殺菌成分が含まれているんだったら、それで口の中をブクブクすれば、歯や歯の周りの菌、虫歯や歯周病の原因菌も殺菌できるのではないかと思われるかもしれません。
何も歯なんか磨かなくたって、洗口液やうがい薬で口の中をすすげばいいのだったら、そのほうが楽だし簡単だということになります。
しかし、これらの洗口液やうがい薬は、あくまでも補助的な手段にしかなりません。
やはり基本は歯磨きが重要なのです。

なぜならば、歯周病の原因となるプラークは、バイオフィルムという形で歯にこびりついているからです。
台所や洗面台などの水まわりを掃除すると、ヌメリがあると思いますが、プラークはちょうど水まわりのヌメリのようなものです。
ただ、洗剤をかけて流しただけではヌメリが取れないのと同じです。
バイオフィルムになって固まってしまった虫歯や歯周病の原因菌は、バイオフィルムに守られて抗菌成分に対しても抵抗性をもってしまっています。
人体に対して悪影響の少ないレベルの抗菌成分を口の中に入れてすすいだ程度では、バイオフィルムに潜む虫歯や歯周病の原因菌は退治できないのです。
したがって、このバイオフィルムに対しては、水まわりのヌメリをこすって落とすの同じように、物理的いこそげ落とすことが重要になってくるのです。
そのためには、毎日の歯磨きが大切というわけです。
1日3回洗口液で口をすすいでいるから、歯磨きしなくても大丈夫だということにはならないのです。
歯磨きのコツ
歯磨きで、バイオフィルムをこそげ落とさなくちゃということで、力任せにブラッシングする人もいると思いますが、これはあまりよくありません。
大きなストロークで思いきり力任せにゴシゴシ歯磨きしても、歯や歯肉を傷つけてしまうだけです。
そればかりか、適度な力で磨かないとプラークも効率的に落ちません。
歯磨きに適した力とは、通常の歯ブラシでは200gほどと言われています。
ピンとこない場合は、通常のキッチン秤に歯ブラシをもって毛先を押しつけて確かめてみると、だいたいどの位の力かわかると思います。
キッチン秤がないという場合の目安としては、ブラシの毛先を指の爪に押し当てたとき、わずかに白くなる程度の力です。
昼間は仕事でなかなか歯磨きの時間が取れないという人でも、プラーク対策という観点からすると、寝る前と起きた後は歯磨きをすることが大切です。
これは、寝ている間には唾液の分泌量が少なくなるので、細菌が繁殖しやすい環境になるからです。