理容師というといわゆる床屋で、赤・白・青のストライブがクルクル回っている看板がある店にいる人、美容師は女性がパーマをかけに行く店にいる人というイメージがあります。
最初は一緒だったが、後に別々に分けられた法律
理容師も美容師もともに国家資格で、国家試験に合格しなければなりませんが、それぞれ対応した法律があります。
昔は、理容師法という法律が1947年に制定され、理髪の「理」と美容の「容」を取り、理容師法になっていて、法律の中では、理髪師と美容師という用語が出てきていました。
ところが、紛らわしいということで、1957年に理容師法から美容師法が分離独立して、現在では、理容師法と美容師法の2つがあります。
では、理容師と美容師は、法律ではどう定義されているのでしょうか。
理容師法「理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう(理容師法第1条の2第1項)」
美容師法「美容とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう(美容師法第2条第1項)」
となっていて、これを反復継続的に業とするものが理容師、美容師となっています。
従って、自分や自分の家族などの髪を切ったりするだけでは、反復継続的ではあるものの業としていないので理容師や美容師の資格はいらないということになります。
理容師や美容師は、構造設備の基準を満たした美容所または理容所として届出され、検査確認を受けた所のみで、それぞれ働くこととされています。
法令による理容師と美容師
理容師は顔剃りができ、美容師はパーマができるんでしょと思っている人もいると思いますが、厳密にはもうちょっと複雑です。
昔は理容室はいわゆる床屋で男性が髪をカットしにいくところ、美容室は女性がパーマをかけにいくところというイメージがありましたが、少し違ってきています。
平成27年に通知が出されるまでは、理容師は女性のパーマができず、美容師は男性のカットのみはできませんでしたが、性別で違うのはおかしいだろうということで、こうした区別はなくなりました。
つまり、男性のカットのみでも美容師でもでき、女性のパーマを理容師が行うこともできるようになりました。
それでも理容師と美容師のダブルライセンス、ダブルクォリフィケーションを取得する人が増えてきています。
それは理容師でしかできないこと、美容師でしかできないことがあるからです。
理容師でしかできないことは、顔剃りで、美容師はメイクに付随した軽い髭剃り以外はできません。
逆に美容師はヘアセット、メイク、まつ毛エクステができますが、理容師はできません。
関連した資格
理容師や美容師の人は、ダブルライセンス、ダブルクォリフィケーションを取得する人もいますが、それ以外にもヘアケアマイスター認定試験とか、色彩技能パーソナルカラー検定とか、パーソナルカラリスト検定、日本メイクアップ技術検定、メイクセラピー検定といった資格をとる人もいます。
これらは民間資格であり、国家資格ではありませんが、提案力をつけたいということで勉強される方もいるようです。