真皮の大部分は弾力性のある膠原繊維の束がいろいろな方向に錯綜している網状構造になっていて、結合組織を形作っています。
真皮を制する者は、シワやたるみを制すとも言われるほど、美容には欠かせない部位になっています。
真皮とコラーゲン
真皮は、膠原繊維の束がいろいろな方向に錯綜した、いわゆる膠原繊維の束からなる網状の構造(結合組織)の、その網目の間をヒアルロン酸などの基質が水分を取り込んだ形で満たしています。
その中で、膠原繊維を形作っているのが、コラーゲン蛋白です。
一口でコラーゲンといっても、人間のたいないには何種類ものコラーゲンが存在していて、わかっているだけでも30種類近いコラーゲンが存在しています。
そのうち、皮膚に存在しているコラーゲンは9種類あります。
その9種類の中でも、Ⅰ型コラーゲン、Ⅳ型コラーゲン、Ⅶ型コラーゲンが、肌のハリや弾力を保つのに重要なコラーゲンだと言われています。
一般に、肌のコラーゲンというと、Ⅰ型コラーゲンを指すことが多く、それは皮膚に多く存在していて、皮膚の弾力や強度に大きく影響しているからです。
加齢とともに、シワやたるみが増えてくるのは、コラーゲンが減ったり変性したりして、さらに新しいコラーゲンを作り出す力も低下してきてしまうからです。
エラスチンとヒアルロン酸
真皮の『エラスチン』は、ゴムのような弾力性のある弾性繊維の主成分で、膠原繊維の材料であるコラーゲンをところどころでつなぎとめるようにして支えています。
コラーゲンとともに、エラスチンも加齢とともに減ってきてしまいます。
『ヒアルロン酸』は、弾力のあるゼリー状の成分で、コラーゲンやエラスチンで作られた網状構造の隙間を埋めるように存在するムコ多糖類です。
ヒアルロン酸は、真皮の構造を安定して保つのに役立っていて、水分保持力が高いため、多くの化粧品の保湿成分としても利用されています。
真皮の細胞
真皮には『線維芽細胞』があり、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などをつくっています。
また線維芽細胞は、肌の血管を元気に保ち、ケガの修復に重要な役割を果たしています。
ケガをすると、その幹部に大量のコラーゲンを作り、傷の修復を助けます。
真皮には、『肥満細胞』も存在していて、これが刺激されると、アレルギー反応が起き、真皮にある毛細血管は膨張し、血管から血漿成分が漏れ出てきて、蕁麻疹になります。
そして、これら『線維芽細胞』や『肥満細胞』を包み込む環境全体が『細胞外マトリックス』になっています。