健康情報にしても、美容情報にしても、世の中には専門家の目からすると、何これ?といったおかしな情報が多く流れています。
中には、専門家の間でも意見が真っ二つに分かれるといったものもありますが、明らかに間違っているというものもあります。
そんな中から、ニキビと毛穴に関する間違った常識についてご紹介します。
ニキビの治療は、自分でニキビをつぶすのが一番
ニキビができてしまったとき、自分でつぶしてしまおうという人がいます。
確かにニキビをつぶすと、つぶした時は内容物が体外にでますので、小さくなります。
しかし、ニキビを自分でつぶすというのは、完全な間違いではありませんが、非常にリスクを伴った行為です。
できれば、きちんとした診療上やクリニック・美容クリニックなどで行ってもらうことがオススメです。
特に、軽度でもないニキビをやたらに自分でつぶすと、かえって症状が悪化するケースのほうが多いと言えるでしょう。
爪を立ててニキビをつぶすのはもってのほか
ニキビの原因菌と言えば、アクネ菌が有名ですが、アクネ菌は嫌気性菌といって、酸素がない環境でのみ生きられるものです。
こうしたことから、ニキビをつぶして、芯やつまった皮脂を出して空気に触れさせてしまえば、悪化することなく治っていくというわけです。
そこで自己治療とし、ニキビをつぶすべく、爪をたてたり、無理にニキビを押しだそうとしたりしますが、この自己流がいけないのです。
爪を立てたり、ニキビを無理に押しだそうとしたりすると、毛穴やその周りが傷んでしまい、跡が残ってしまいます。また自己流でニキビの芯を出したつもりでも、実際には残ってしまったりしていることもあります。そして傷んだ毛穴やその周りから、雑菌が入り込んで、ニキビの症状を悪化してしまうこともあります。
炎症が起こってしまっているのであれば、市販薬のニキビ薬を使うか、クリニック・診療所を受診するようにします。
また炎症が起こる前の状態であるシロニキビが気になり、これを今すぐにでも取りたいという場合は、自己流で爪をたてたりつぶしたりするのではなく、皮膚科や美容クリニックなどで、ニキビ表面に微小な穴を開けて、器械で毛穴につまった角質や皮脂、汚れなどを押し出す面皰(めんぽう)圧出を行うと良いでしょう。
ポツンポツンとできている白ニキビなどでは、この面皰圧出が行われますが、クレーターのようにニキビ跡がひどく、何年も悩まされている場合は、向いていません。その場合は、皮脂を抑える治療をベースとして治療が行われていきます。
コメドプッシャーを使ったニキビケアはNG
ニキビ対策グッズとして、コメドプッシャーというものがあります。
コメドプッシャーはそのままコメドを押すものであり、角栓の周囲の皮膚をギュット圧迫することによって、角栓を押し出すというものです。
皮膚科や美容クリニックなどで面皰圧出を行うときの器具と似ていて、基本的には両端が円形に穴の開いた耳かきのようなものになっています。
火で消毒した針で、ニキビの先端に穴を開け、そこに火やアルコールで消毒したコメドプッシャーを2~3回押し当てると、中の膿や皮脂が出てくるので、これを出しきり、出てきた膿の塊はピンセットなどで取り除き、跡は綿棒と消毒液で患部を消毒するという形になります。
ごく軽度のもので、どうしても自宅で処理したく、しかも万一それで良くならない場合は診療所やクリニックを受診するというのであれば、コメドプッシャーを使った処置というものがありますし、そのためにコメドプッシャーというものが存在しているのでしょうけれど、あまりオススメはできません。