腋毛などは伸ばしっぱなしにできないということで、除毛・脱毛処理が行われていますが、肌のことだけを考えるのであれば、毛は基本的に伸ばしたままにするのが最も自然で健康的な状態と言えます。
つまり、「肌が弱い人のための肌にやさしい除毛法はありますか?」という質問には、「基本的に肌が弱い人にオススメの除毛法はありません。」ということになります。
とはいっても、腋毛などが生えていると商売的によくないといった社会的理由や、外見的にもはずかしいし、女性が腋毛をぼうぼうと生やしているのはちょっとという固定概念に縛られた人たちもいますので、必要にせまられて腋毛をなんとかしなければという人たちもいて、腋毛を伸ばしたままにはできないというのも現状かと思います。
抜くか剃るか
除毛処理というと、大きくわけると2つあります。
一つが剃るという方法で、もう一つが抜くという方法です。
どちらが肌へのダメージが大きいかというと、みなさまのご想像のとおり抜く方が肌に対するダメージは大きくなります。
抜いたほうが剃るよりも見た目はすっきりしますし、もちもよいという利点がないわけではありませんが、毛を抜くという行為は、いわば皮膚の一部をちぎっていることになります。
毛はその毛根部分にある毛母細胞でつくられてどんどん伸びていきます。そしてその毛母細胞には毛細血管から酸素や栄養が送られてきていて、細胞分裂を繰り返し、毛が伸びていきます。
こうした成長期の毛を抜くということは、生きた細胞を引っこ抜いていることになりますので、毛を抜くときに当然痛みを感じますし、毛穴の奥では多少出血もするのです。
その傷ついた部分から毛穴の中で菌が繁殖して侵入していくことにより肌が荒れたりしてくることがあります。
本当のムダ毛はどこの毛?
体毛は人体のしくみを考えたときに、すべて必要性があって生えています。
美容的・化粧的にはムダ毛と思われるものでも、医学的・生理的には「ムダ毛」というものはないと言っても良いでしょう。
美容的に、あるいは文化的理由によってないほうが美しいだろうと思われている毛が、一般的に「ムダ毛」と呼ばれているだけです。
ところ変われば美意識も違ってくる
日本だと、女性の腋毛に関しては、無いほうが良いということで、腋毛の処理をする女性も多いと思いますが、中国では女性が腋毛を剃るということは必ずしも一般的ではありませんし、アラブ諸国の男性を見てみると、大抵の人はヒゲを剃らないでそのままにしています。
日本では、江戸時代では今季になると女性は眉毛を剃っていたという話もあり、昔は眉毛すらもムダ毛扱いされていたようです。
どうしても除毛する場合は、次のポイントに気をつけて
基本的に除毛は肌にとって負担となり、あまりオススメできませんが、それでも文化的・社会的理由からどうしても除毛しなければといった場合、少しでも肌への負担を軽くすることを考える必要があります。
そのためには、まず除毛する前に、肌を清潔にして行うことが大切です。
そして肌を温めてから除毛するようにします。
なぜならば、肌も毛もケラチンという蛋白質でできていて、温度が下がると硬くなる性質をもっているので、温めて柔らかくしてから除毛したほうが肌が傷つきにくくなるからです。
除毛した後は、除毛による炎症が起こりやすくなるので、水で冷やしたタオルをあてるなどして除毛した部分の肌をしばらく冷やすようにすると良いでしょう。