漂白剤は、ものの色を白くしてしまうというイメージから、色柄ものの衣類には使えないと思っている人も多いと思います。
しかし、漂白剤だから色柄ものの衣類には使えないというものではなく、色柄ものの衣類にも使用できる漂白剤があるのです。
もちろん全ての漂白剤が色柄ものに使えるというわけではないので注意が必要です。
大きく3タイプに分類できる漂白剤
ひと口に『漂白剤』といっても、『酵素系漂白剤』、『塩素系漂白剤』、『還元系漂白剤』の3つのタイプがあります。
これは、それぞれ汚れの色素を分解する仕組みが違うのです。当然、それぞれに向いている用途も違ってきますので、生地の素材や目的に応じて使い分けるのが賢い漂白剤の使い方になります。
それぞれの特徴についてまとめてみましたが、個々の製品によって違うので、製品の説明を必ず読んで使うようにしてください。
酵素系漂白剤
『酵素系漂白剤』は、漂白力をみると、塩素系漂白剤に比べて劣りますが、繊維を痛めることなく汚れ自体、汚れの色素を落とすことができます。
また殺菌・防臭効果も期待できます。
水洗いできる白もの、色柄ものに使うことができます。素材としては、綿・麻・化学繊維に向いています。
毛や絹については、粉末タイプのものは使えません。
また金属部分がある衣服は、金属部分が化学反応を起こすおそれがあるので要注意です。
酵素系漂白剤は、40℃ぐらいのお湯と合わせて使用すると効果的に漂白できます。
塩素系漂白剤
『塩素系漂白剤』は、「ハイター」に代表されるように漂白力が強力で、頑固なシミ汚れでも落としてくれ、殺菌消臭効果も期待できますが、染料まで抜き取ってしまうくらい強力な漂白力なので、色柄ものの衣服には使えません。
水洗いできる白ものに向いていて、生地の素材としては、綿・麻・ポリエステル・アクリルに向いています。
酸性タイプの製品と混ぜると有毒なガスが発生しますので注意してください。
還元系漂白剤
『還元系漂白剤』は、色素を分解するメカニズムが酵素系漂白剤や塩素系漂白剤と異なります。
酵素系漂白剤や塩素系漂白剤は、酸化型漂白剤で、色素を酸化する、つまり色素と酸素を意図的に結びつけることで色素を分解していきます。
これに対して還元系漂白剤は、逆に色素から酸素を奪い取ることによって色素を分解していきます。
水洗いできる白ものに向いていて、生地の素材としては、綿・麻・化学繊維・毛・絹などに向いています。
除菌効果はありませんが、鉄分による黄ばみを落とすのが得意です。
また色素を落とすメカニズムが違うことから、酸化型漂白剤で落ちない汚れが落ちる場合があります。
色柄ものに使える漂白剤は酵素系漂白剤
以上のことから、色柄ものに使える漂白剤は、『酵素系漂白剤』ということになります。
漂白剤だから一律に色柄ものはダメと考えるのではなく、3タイプをうまく使いこなしていくと良いでしょう。
念のため、製品の使用上の注意や用途などは確認しておくことが大切です。