表皮は、その厚さが薄い所では約0.06mmとなっています。
近くに定規などがあれば、そこで1mmの長さを確認してみてください。その1mmの1/10の長さ、そのまた半分の長さが0.05mmになります。
表皮は薄いところではいかに薄いかということがこれで実感できるかと思います。
そして、表皮は厚いところでもだいたい0.2mm程度なのです。
4層構造の表皮
表皮の90%以上は、ケラチノサイトと呼ばれる角質細胞からなっています。
そして、表皮は表面の浅い層から、角層・顆粒層・有棘層・基底層の4層構造になっています。
角層
表皮の一番表面に位置する『角層』は、わずか0.02mmという薄さですが、外からの刺激物が体内に侵入するのを防いだり、肌の水分が蒸発しないように保護してりしています。
一番表面に位置する『角層』は、角質細胞が12~14層積み重なっている構造になっています。
その『角質細胞』の間を水分や細胞間脂質、NMF(天然保湿因子)が満たしていて、これが角質水分となっています。
顆粒層
角層の下にあるのが『顆粒層』で、ここは『フィラグリン』という細胞があって、天然保湿因子のもとになる成分を作り出しています。
フィラグリンを産生するのが『γポリグルタミン酸』というアミノ酸で、超保湿成分として化粧品などに配合されているほか、免疫を強化したり、アトピー性皮膚炎を抑える作用もあるのではと期待されています。
顆粒層には、肌に入ってきた紫外線をはね返し、外的刺激から肌を守る働きがある『ケラトヒアリン顆粒』というものもあります。
有棘層
顆粒層の下にあるのが『有棘層』で、表皮の中ではここが一番厚い層になっています。
有棘層には『ランゲルハンス細胞』という免疫細胞があって、ここでは体内に入ってきた物質が異物であるのかそうでないのかを判別しています。
異物と判断すれば体外に排除しようとしますが、このときにアレルギー反応が起こるとされています。
基底層
表皮の一番奥にあるのが『基底層』で、ここでは基底細胞から新しい細胞が作り出されています。
基底層の約1割がメラノサイトになっていて、基底細胞はこのメラノサイトからメラニンを受け取っています。
基底層は、真皮表皮接合部(DEJ)で真皮とつながっていますが、皮膚の老化にはこの部分が重要な役割を果たしているのではないかとして注目を集めています。
基底細胞から角質細胞になるまでに4週間、垢となって剥がれ落ちるまでに2週間かかると言われていて、これがターンオーバーと言われています。