日本人の成人の約8割が歯周病というと、少しショッキングかもしれませんが、これは歯石の沈着があったり、歯周ポケットがあり軽い刺激で出血するなど何等かの歯周病の兆候をもっている人の割合になります。
歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットがある人の割合は、とても高くなっています。
歯周病とストレス
歯周病って、歯周病菌による一種の感染症なんじゃないの? ということになりますが、ストレスもその要因になります。
昔から、「病は気から」という言葉がありますが、ストレスがいろいろな病気に影響を及ぼすということはすでにわかっています。
過度なストレスがかかると、人間の身体は全体を統括している自律神経の働きが乱れてきます。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つのバランスにより成り立っていますが、交感神経は体が活発なときに優位になり、副交感神経はリラックスしている時に優位に働きます。
この交感神経と副交感神経のバランスを取りながら、ホルモン系や免疫系などとともに体全体を支えているのです。
しかし、過度のストレスを受けると、交感神経が強く働く状態になります。
その状態が続くと、唾液の分泌が減少してきて、歯の周囲の洗浄作用や殺菌作用が落ちてきてしまいます。
さらに免疫系が乱れてしまい、歯肉での歯周病菌への抵抗力が落ちてしまい、歯周病が進みやすくなってしまうのです。
ですので、過度なストレスを受けると、歯周病が進行しやすい状態になるのです。
ストレスによる影響は自律神経のバランスだけではない
過度のストレスにより、自律神経の働きが乱れ、唾液の分泌量が減ることで、歯の周囲の洗浄作用や殺菌作用が落ちること、また免疫系が乱れて抵抗力が落ちてしまうことを述べてきましたが、歯周病に悪影響を及ぼすのは、自律神経の乱れだけではありません。
意外と盲点になりやすいのが、物理的な影響です。
ストレスがあると、無意識に歯をくいしばる人がいます。また夜中に歯ぎしりをよくする人もいます。
実は、この歯のくいしばりや歯ぎしりが良くないのです。
歯の食いしばりや歯ぎしりが歯に与える圧力はかなり大きく、歯槽骨まで圧迫して破壊が進んでしまいます。
また歯の噛みしめが強いと、歯が折れたりして歯周病が発症したり、悪化しやすくなります。
自分なりにストレス発散
もし、歯の周囲に腫れや痛みを感じたら、もしかしたらストレスからきている可能性もあります。
自分なりのストレス発散法、リラックス法を見つけることも大切です。
散歩や軽いストレッチをしてみるのもいいですし、音楽を聴いてリラックスするのも良いでしょう。
ガーデニングも綺麗な花を眺めてリラックスできます。
お風呂などのリラックスタイムをつくっても良いでしょう。
とにかく、自分にあったストレス発散法、リラックス法を日頃から実践していくと良いでしょう。