東京大学医学部を卒業して、こころとからだのクリニック院長をやられている和田秀樹氏は、健康診断を毎回受けさせ、病気でない人を病人にしている面があると指摘されています。
健康診断のデタラメで病人を作り出すしくみ
日本の医療は、国民皆保険で世界に誇れるなどと言っていますが、健康診断とかいって会社とかでも受けたくない人にもまで半強制的に健康診断を受けさせて、病気でもない人を病人にして、お金を払わせて薬を飲ませているという非常に悪い面があります。
健康診断を受けても、重篤な内臓疾患がみつからなかったり、ガンをみのがしたり、つまり健康診断を受けても全然安心ではないのです。
そればかりか、少しでも血圧が高いと、高血圧と判断し、医者に通うように言われ、降圧剤を処方して飲ませる。
こんなバカげたことをしているから、医療費がかさんでくるんだと思います。
血圧が高い、血糖値が高いというけれど、本当に治療が必要なのか本当のところはわかりませんし、これに関しても疑問をもっておられる医師もたくさんいます。
コレステロールにいたっては、多少高めの人のほうが長生きするといった論文まででています。
タバコを吸っている人に禁煙を強要したり、血圧の高い人に塩分を控えるように強制したりしますが、人の人生です。
中には、「早く死んだっていいから、好きなように生きさせてくれ!」という人だって少なくないはずです。
それを半強制的に医師が自由を奪う権利はないはずで、日本の医療はもう少し自己決定を認めて大事にすることも考えてもいいのではないでしょうか。
そのほうが、将来的にもっとかさんでくるであろう医療費も削減できる気がします。
健康診断にしろ、企業に勤めていると、あんなものは無駄でやる必要がないし、時間の無駄! あんなもの受けてる暇があったら仕事してるよと健康診断を受けることを拒否していると、人事から通達が回ってきて、お願いだから決まりになっているので健康診断を受けてくださいと言われてしまいます。
健康診断を受けない自由だってあるはずです。
体の声が聞こえたときに受診すればよい
「バカの壁」でも有名な東京大学医学部卒で東大名誉教授の養老孟子氏は、体の声が聞こえたときに病院に行けば良いと考えておられます。
「ちょっと調子がおかしい」といったときに病院に行くことで十分ではないかということです。
実際にご自身も1年で体重が15㎏も減り、どうも元気が出なく調子も悪いということで受診したけっか心筋梗塞がわかって入院したそうです。
人間ドッグで異常と判定される確率は?
健常な人の各検査項目の値は、その多くがだいたい左右対称の正規分布になるとすると、その中央から95%を占める部分が正常とされます。
中には、血圧のように国民の3人に1人は高血圧となってしまうものもありますが、もうそんな状態でしたら正常値自体を見直したらと思ってしまいます。
実際に、血圧やコレステロールが高くでも100歳超えて生きておられるかたは山ほどいます。
さて、話しを戻すと、中央から95%の範囲が正常とすれば、残りの上位と下位それぞれ2.5%の人は異常となるわけです。
これは単純に数学的に考えた場合、1つの項目で正常となる確率は95%ということです。
これは一見高いように見えますが、例えば人間ドッグで50項目の検査を受けたとします。
すると、すべての項目が正常としてクリアする確率は、95%の50乗ということになりますので、計算すると7.69%となってしまいます。
実際に、日本人間ドッグ学会では2015年まで毎年レポートを発表していて、2015年版によると人間ドッグを受けた人のうち、異常なしが男性で4.7%、女性で6.8%となっています。
なんでも都合が悪くなると隠蔽体質の日本、この数値が実態をあまりにかけ離れてるのではと指摘され、それ以降は発表をやめてしまっているのです。
健康診断はそれでも無意味ではない
さんざん健康診断のことをディスってきましたが、健康診断の本来の目的は、生活習慣病の予防として、その結果をしっかりと認識してもらい、生活改善指導などを受けやすくして、将来的な病気の予防の可能性を高めるという意味では非常に意味があることです。
しっかりと医師と相談をして、生活改善に努めていくことこそが大切なのです。